留守番中の娘から、父親の携帯に着信。緊急事態かと身構えて出ると、思いがけない言葉が返ってきました。
「我が家は以前から、緊急事態用に僕の名刺を子どもたちに渡して、家電(固定電話)の使い方も教えて、『何かあったらパパの携帯に電話をしてね』と伝えてました」
そんな日ごろの備えについてXに投稿したのは、齋藤桂(ホイミ代表)さん(@hoimi_saito)です。備えのきっかけと、当日のやりとりについて話を聞きました。
齋藤桂さんには、小学4年生の娘さんと、小学1年生の息子さんがいます。子どもたちに自分の名刺を持たせるようになったのは、迷子になったときなどに備えるためでした。
「何かあったらバッグや財布からこの名刺を出して、大人の人にパパの電話に電話してもらいなさい」
名刺を渡す際には、子どもたちにそう説明したといいます。2人は安心したような様子を見せ、名刺をもらったこと自体もうれしそうだったそうです。
自宅の固定電話の前には、母親の電話番号も書いてあります。いざというときに自分たちで連絡できるよう、父親と母親それぞれの携帯に実際にかける練習もしていました。
銀行に行った、ほんのわずかな時間に…
そんなある日、留守番をしていた娘さんから着信がありました。あわてて電話に出ると、娘さんから聞こえてきたのは――。
「パパ!歯が抜けたよ!」
予想外の報告に、齋藤桂さんは拍子抜け。そして、娘さんにこう伝えました。
「電話かかってきてびっくりしたよ!でも、よかったね。帰ったら見せてね。もう少しで帰るから、いい子にしててね」
帰宅すると、娘さんはうれしそうに抜けた歯と口の中を見せてくれたそうです。
実は歯が抜けたのは初めてではなく、これですでに4、5本目。それでも娘さんにとっては、すぐに両親へ知らせたい出来事だったようです。
「よくパパに電話かけられたね」と声をかけると、娘さんは「ちゃんとできたよ!」と答えたといいます。さらに、父親への電話を終えたあと、娘さんは母親にも同じ内容の電話をかけていたそうです。
この投稿には「かわいい」「ほっこりする」と、娘さんの行動をほほ笑ましく受け止めるコメントが相次いでいます。「娘さんはあっという間に大人になって、そんな報告もしなくなる」と、今だからこその親子のやりとりを大切にしてほしいと呼びかける声も寄せられました。
投稿の理由を、齋藤桂さんはこう振り返ります。
「ここ数年のXは、政治への批判や有名人などへの誹謗中傷で殺伐としていることが増えましたが、たまに流れてくる育児のほっこりネタに私自身、いやされていたりします」
普段は仕事関係の投稿が多いそうですが、「今回の件は娘が改めて愛おしく感じた瞬間だったので、思わず投稿したくなりました」と語ります。
万が一に備えて教えておいた電話の使い方。その出番は緊急事態ではなく、娘さんの弾んだ報告でした。