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城下町の歴史への疑問、AIがすぐに答えます 近世の市史48万字を学習、観光モデルコース提案も

京都新聞社 京都新聞社

生成AI(人工知能)を活用し、京都府舞鶴市の歴史について質問すると自動的に答えが返ってくるインターネット上のサービス「舞鶴市史チャットボット」を、京都府立大学(京都市左京区)の研究室が公開した。AIは市史の近世に関する48万字分の記述を学習しており「農民の生活を小学生向けに説明して」「犬はいたか」などと尋ねれば、文章で回答される。全国初の試みとみられ、郷土史の膨大な蓄積を教育や観光に生かしやすくする。

対話型生成AI「チャットGPT」を活用し、舞鶴市などと連携して5月に公開した。市史のうち、江戸時代などに関わる691ページ分を学ばせた。AIは、活字化して収録されている古文書の内容もほぼ正しく解釈できるという。

利用者が「漁師の暮らしを子どもに分かるように解説して」と入力して数十秒すれば、ブリやアジを網で捕ったが畑仕事もした、村同士で漁場の争いがあったなどと分かりやすい文章で表示される。

「西舞鶴駅の徒歩圏で観光コース案を考えて」という問いにも、田辺城跡や城下町を巡るモデルコースや各地点の見どころが提示される。

企画した文化情報学研究室の東昇教授は近世史の研究者で、各地で自治体史の編さんに携わってきた。膨大な調査成果をまとめた書籍は専門家に重宝されるが「99%の市民には利用しづらい。十分に読まれずもったいない」と考えてきた。

AIの急速な発展に着目して2024年から、研究や教育で連携している舞鶴市を題材に、市史のチャットボット化を進めてきた。

既製の生成AIもネット上の情報を基に歴史の質問に答えるが、研究書や論文のネット公開が進んでおらず「まだ精度は低い」という。市史を読み込ませることで、信頼度を高めることができた。

一方、開発中のテストでは「雨乞いはあったか」との質問に架空の事例を創作して答えるなど、生成AI特有の課題も生じた。

改良を重ね「一定安心して使えるようにしたが、100%正しいとは保証されない」。回答に付記される根拠とした箇所を自分の目で確かめてほしいという。

今後は市史の近代部分への拡張も目指しており、観光や地域おこしに使ってほしいという。

熊本県に残る江戸時代の庄屋日記でも東教授がボットを製作中だが、市史と違って古文書を活字化した原文のみで解説がないため、解釈誤りが起きやすい。日記と研究論文など、複数の資料をAIに学習させると精度が上がるとみて改良を続けている。

東教授は「歴史を面白がってくれる人を増やしたい。AIで興味を持ち、博物館に行くなど本物の体験につながれば」と願う。

舞鶴市史のボットは同研究室が運営するウェブサイト「まるまる舞鶴」からアクセスでき、無料で使える。

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