宝石には美しさだけではなく、人々の願いや思いが込められているのかもしれません。漫画家・やませちかさんの作品『宝石商のメイド』の14話『夜を駆ける宝石商のメイド』では、ルーペのみで宝石を見分ける凄腕メイドの鑑定眼が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約1.7万のいいねが寄せられました。
とある宝石商のもとでメイドとして雇われているエリヤは、普段は宝石店の店番を任されています。彼女の宝石を見極める確かな眼は日に日にウワサとなり、ついに国際ジュエリー協会の会長から直々に夜会への招待状が届きました。
招待に応じ、きらびやかな夜会会場へ足を踏み入れたエリヤ。そこで彼女を待っていたのは、その腕前を試そうとする会長からの挑戦でした。エリヤはルーペのみで宝石を見極めるという難問を3問、突きつけられることとなります。
最初の問題としてAとB、2つの宝石が出されますが、どちらかがガラスだといいます。宝石名まで当てなければならないという難問でしたが、エリヤはBの石がモルダバイトだと当てます。なぜ分かったのかというと、内包された気泡の形に違いがあったためでした。
ガラスは重力の関係で気泡が円形になりますが、モルダバイトは楕円形の不規則な形になるといいます。なぜ不規則な形になるかというと、太古の地球で隕石が衝突した際の衝撃だと考えられているようです。
2問目は、30個のルビーのなかから『ピジョン・ブラッド』と呼ばれる色合いを選別してほしいという問題です。周囲の観客は「一流の鑑定士でも何人が正解できるか」という難問に固唾(かたず)をのんで見守るなか、エリヤはルーペひとつで挑みました。
会場は落ち着かない雰囲気のなか、エリヤは6石を選びぬき会長に渡します。すると1つも間違えていなかったうえ、マスターストーン(色見本)をほとんど見ずに鑑定していたため、周囲からはどよめきがおきました。
しかし会長は、いつも最後は必ず外させるような問題を持ってくるとのことです。その問題とは、2つのなかから本物のダイヤモンドを当ててほしいというものでした。
ダイヤモンドは、目視だけでは正確な鑑定は不可能だといいます。エリヤはダイヤモンドへの違和感を抱きつつ、口にした答えとは…。
同作に対して、読者からは「回答への言葉選びがとても素敵」「気付いたら世界観にひき込まれていた」などの声が寄せられています。そこで、作者のやませちかさんに話を聞きました。
宝石の魅力が伝わるように光の表現にこだわっている
――『宝石商のメイド』を描いたきっかけについて教えてください
ある日、メイドが宝石をたくさん身に着けている絵を見て、衝撃を受けたのがきっかけです。さらに、メイドが宝石を売ったらおもしろい漫画になるなと思いつき、次々にアイデアが生まれました。
――作品を表現するにあたって、こだわりや気を付けていることはありますか
単行本では白黒で収録されるため、宝石の魅力が伝わるように光の表現にはこだわっています。無駄なコマは一コマもないように気を付けながらお話を作っています。
――宝石の美しさや奥深さに魅了される作品でした
発表から今年で6年目を迎え、単行本も8巻となりました。ここまで長く続けられているのも読者の皆様のおかげです。これからも読んでいただけたらうれしいです。
<やませちかさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
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▽書籍『宝石商のメイド1』(Amazon)
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