かつての人気企画を復活させた「甦る‼令和の比叡山お化け屋敷」が、京都市下京区の大丸京都店で開催されている。開幕前には、比叡山延暦寺(天台宗総本山、大津市)の僧侶らによって安全祈願の法要も行われた。今回のお化け屋敷には延暦寺に伝わるお化けも登場する。僧侶が解説した、延暦寺に伝わるお化けとは-。
京都の東北に位置する比叡山の山頂では、1999年まで54回にわたってお化け屋敷が開催され、京都や滋賀の市民から夏の風物詩として親しまれた。その後しばらく途絶えていたが、2025年には大丸京都店に場所を移して26年ぶりに開催され、今年は復活2年目に当たる。
今回のお化け屋敷には「比叡山延暦寺コーナー」があり、2体のお化けが来場者を出迎える。「なすび婆(ばばあ)」と「一ツ目小僧」だ。
「2体が比叡山から大丸に下りてきて、協力させていただく」。開幕前日に営まれた法要後、延暦寺の今出川行戒副執行がこの2体にまつわる伝説を紹介した。
今出川副執行によると、なすび婆は宮中に仕える女官だった。殺生をしたことにより地獄に落とされたが、仏の慈悲により比叡山に住むことが許された。
なすび婆は比叡山に緊急事態が起こると、境内の東塔エリアにある大講堂横の大鐘を鳴らし、緊急であることを知らせた。織田信長の焼き打ちの際も、なすび婆が鐘を鳴らしたという。
もう一体は「一ツ目小僧」だ。実は一ツ目小僧にはモデルがいる。19代天台座主の慈忍和尚(尋禅、943~990年)だ。
今出川副執行は慈忍和尚について「生前、大変厳しい修行に没頭されて、戒律を守った方と言われています」と説明。「ですから亡くなった後もこういう(一ツ目小僧の)姿をもって、修行僧が怠けている時に現れ、お坊さんを律したという伝説が残っています」と話す。
さらに「われわれも子供の頃、怠けたらこの一ツ目が出るぞというようなことをよく大先輩から言われて脅かされました」と振り返った。
1200年の歴史を織りなしてきた比叡山には、僧侶から僧侶へ口伝されてきた伝説や逸話が数多く残るという。今出川副執行は「なすび婆と一ツ目以外にも不思議な伝説があります。どうぞみなさん、お越しください」と締めくくり、境内の参拝を呼びかけた。
◇ ◇
「甦る‼令和の比叡山お化け屋敷」は8月31日まで。有料。京都新聞主催。