老後資金の要となる退職金。しかし、それを資産運用に活用できるかどうかは、受け取る金額の多寡ではなく「現役時代に投資経験があるか」で大きく分かれるようです。お金の診断・相談サービス『マネイロ』を運営する株式会社モニクルフィナンシャル(東京都千代田区)が実施した「退職金の使い道」に関する調査によると、投資経験の有無によって退職金を「投資に回す」割合に約4.4倍の開きが出ていることが明らかになりました。
調査は、同サービスの「3分投資診断」を利用しており、資産形成に関心のある40〜59歳の男女6000人を対象として、2026年5月時点までの回答データから抽出したといいます。
退職金の受け取りを見込む4632人に対して、「退職金の最優先の使い道」を尋ねたところ、投資経験者では「銀行預金(老後の生活費)」が35.0%でトップ、次いで「資産運用の元手にして投資する」が25.1%となりました。
一方、投資未経験者では「銀行預金」が49.0%と約半数を占め、「資産運用の元手にして投資する」を選んだ人は5.7%にとどまり、約4.4倍の開きが見られました。
年代別で見ても、40代の時点で「運用に回す」とした人は投資経験者の21.5%に対して、未経験者では4.2%(約5.1倍)となっており、退職金を受け取る十数年前の段階で、すでに行動格差が固定化し始めている実態が浮き彫りとなっています。
本調査で特筆すべきは、退職金の「受給額」そのものよりも「投資経験の有無」が行動を強く左右している点です。
調査では、退職金3000万円以上を見込む層であっても、投資未経験者で「運用に回す」と答えた人はわずか4.3%にとどまる一方で、投資経験者では想定退職金が500万円未満であっても20.7%が資産運用に回すと回答しています。
また、自身の退職金想定額を「分からない/未定」と答えた割合は、投資経験者の8.3%に対し、未経験者は14.8%(約1.8倍)と高く、投資経験の有無は受給額の把握状況にも差を生んでいることが分かりました。
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調査を実施した同社は、「投資の知識を持つことと、実際に市場と接点を持つことは全く別物。退職金を受け取る直前の情報提供では遅く、現役世代のうちから資産運用に触れる機会が重要」と述べています。
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【出典】
▽マネイロ『3分投資診断』調査(2026年)