道路脇の藪へ戻ろうとしたカモシカが、柵にぶつかった直後に見せたお茶目なしぐさが注目を集めています。ある男性がThreadsに投稿した動画に、「え?今の見てた?」「振り向く間が完璧です」といった声が寄せられ、31万件を超えるインプレッションが記録されました。
投稿主は、日本酒を取り扱う事業の経営をしている、やーまんさん(@masamori.yamamoto)。やーまんさんによると、遭遇したのは岐阜県から名古屋へ戻る帰り道。車で移動している最中、見通しのよい一本道で、遠目に田んぼの中に動物の姿を確認したといいます。距離はおよそ30〜50mほど。当初は「こちらに向かってくる可能性もある」「もしかすると熊かもしれない」と感じ、自然と徐行したそうです。
こちらの存在に気づいたカモシカは一度立ち止まり、「見つかった、逃げよう」といった様子を見せたといいます。ただ、過度に恐怖を感じているようには見えなかったため、やーまんさんは無理に動かず、「焦らなくていい」という意味でいったん車を止め、見守る姿勢を取りました。
最初は慌てて藪に入ろうとしていたカモシカでしたが、草木も絡み、錆びて見えにくくなっていたためか、手前の溝を飛び越えた勢いのまま柵にぶつかってしまったといいます。
「思わず『大丈夫か?』と感じるほどの衝突でこちらも驚いたのですが、その直後にこちらを振り返り、『今の見た?』とでも言いたげな表情を見せたのが印象的でした」
その後も同じように助走をつけ、再びぶつかってしまったそうです。やーまんさんはさすがに危険だと感じた一方、直後に振り返る様子について、「『見たよね?』とでも言いたげな、どこか照れたような表情がとてもチャーミングで、思わず親心のような感情が湧いてしまいました」と話します。
やーまんさんは「放っておけない」と思い、ゆっくりと車を進めながら、自然と柵の切れ目の方向へ導くような動きになったと振り返ります。カモシカは最終的に柵のない場所から無事に山へ戻り、去り際に一度振り返る様子も見られたそうです。
「こちらとしては襲う意図もなく、むしろ慌てることで怪我をしてしまうことの方が心配でした。『ゆっくり帰りなさい』という言葉は、その時の率直な感情です」
投稿には、「こっち見んのかわいい」「入れなかったのが、本人も意外過ぎるんだろうな」など、カモシカが振り返るしぐさに注目する声が寄せられ、「カモシカの気持ちになってコメントしてくれる人が多かった」ことが印象的だったといいます。
仕事柄、全国の酒蔵を訪れる機会が多いというやーまんさん。野生動物への遭遇は珍しくなく、特に夜間は飛び出しが多いため、周囲の空気感で「出そうだな」と察した段階で速度を落とすよう意識しているといいます。
そんな経験豊富なやーまんさんですが、今回のカモシカには「想像以上に大きい」と圧倒されたそう。かつて群馬・草津温泉で住んでいた寮の前に現れたカモシカを思い出しつつ、「久しぶりに間近で見るとやはり迫力がありました。ただ、殺気などは一切なく、どこか静かな存在感でした」と振り返ります。
また、今回の一件を通して、日常の何気ない出来事に多くの人が価値を感じてくれたこと自体が「日本の美しさ」だと感じたそうです。
「世界では緊迫したニュースも多い中、こうした身近な一コマに価値を見出せる感性は、これからも大切にしていきたいですね」