tl_bnr_land

草むらで、へその緒のついた子猫を保護 必死の治療むなしく…投稿に広がる悲しみ、「かわいそう」で終わらせないために

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「悲しいお話になります。でも、知ってほしいので書きます」…そんな言葉とともに投稿された、生まれたばかりの子猫たちの写真とエピソードが、多くの人の胸を打っています。

Instagramに投稿したのは、ボランティアグループ「プロテクト♡あにまる」の代表、高村友佳さん(@protect.animal.yuka)。投稿には、「痛かったね…辛かったね」「傷だらけの小さい命に寄り添っていただきありがとうございました」「現実とは言え辛いですね」といった声が寄せられています。

草むらから聞こえた鳴き声 そこにいたのは…

今回、高村さんはミルクボランティアとして、保護された乳飲み子の対応を依頼されたといいます。

発見者によると、草むらから子猫の鳴き声が聞こえ、近づくと2匹の子猫がいたそうです。さらに周囲を探すと、少し離れた場所には、すでに亡くなっている子猫が2匹いたのだとか。

生きていた2匹も全身に傷があり、発見者は西宮市の保護猫カフェ「ラゾーニャ」へ相談。緊急性が高いと判断され、子猫たちは温められながら、高村さんが勤務する動物病院へ搬送されました。

「これはかなり厳しい状態だ」 紫色になった小さな体

搬送された子猫たちは、生まれて間もない状態だったといいます。

「毛布をめくった瞬間、1匹の体が紫色になっていて、血色が非常に悪く、『これはかなり厳しい状態だ』と感じました」

体重は80グラムと100グラムほど。へその緒もついたままで、全身には裂けたような傷があったそうです。カラスや野生動物に襲われた可能性も考えられたといいます。それでも、「諦めるという選択肢はなかった」と話す高村さんたち。すぐに酸素投与、加温、胃カテーテルによるミルク投与など、できる限りの治療を行いました。

しかし… 2匹はその日のうちに亡くなりました。

「助けられなかったことが悔しくて、1匹でも多く救いたいと改めて思いました」

高村さんはそう振り返ります。

「かわいそう」で終わらせないために

今回、高村さんがあえて悲しい現実を発信したのには理由がありました。

「悲しい現実を伝えることで、みんなに辛い思いを共有してしまうことにはなるのですが、それでも、懸命に生きていた命があることを伝えたかったです」

そして、こう続けます。

「野良猫は野生動物ではありません。人が捨てたり、手術をしなかった飼い猫が増え、外で生きるしかなくなった愛護動物です」

寒さや飢え、怪我の中で、生まれても生き延びられずに亡くなっていく命を、これまで何度も見てきたといいます。だからこそ、「かわいそう」で終わらせず、TNR(捕獲して避妊去勢手術を行い、元の場所へ戻す活動)の必要性を知ってほしいと訴えています。

乳飲み子を見つけた時に大切なこと

コメント欄では、「低体温症」の怖さについても多くの声が寄せられていました。高村さんによると、乳飲み子にとって低体温は命に直結する深刻な状態だといいます。

「適温は28度前後で、寒いだけでも衰弱して亡くなることがあります」

もし乳飲み子を見つけた場合は、まず“保温”を優先してほしいとのこと。ペットボトルにお湯を入れてタオルで包み、そばに置く方法や、保温性の高いダンボールを活用する方法などを勧めています。

「知ることも、命を守る第一歩」

最後に、高村さんは地域で暮らす野良猫たちについて、こう呼びかけます。

「野良猫の問題は、単なる『猫の問題』ではなく、地域の環境問題だと思っています」

「お水は飲めているか、ご飯は食べられているか、けがをしていないか。少しだけでも気にかけてもらえたら嬉しいです」

生まれて間もなく消えていった小さな命。その現実を知ることが、未来の命を守る第一歩になるのかもしれません。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース