看護師はさまざまな患者と向き合う多忙な日々を送っていますが、人に寄り添う姿勢は忘れてはなりません。漫画家・こしのりょうさんがモーニング(講談社)で連載した作品『Ns’あおい』の抜粋エピソード『Call.6 あってないような……』では、2004年の日本におけるとある病院での看護師の1日が描かれています(医療に関する情報・描写は当時のものです)。
主人公の看護師・あおいは、現在、市民病院に勤めています。あおいの今日の受け持ち患者はなんと10名。点滴チェックを終えたあと、あおいは病棟を回りました。
担当患者全員のシーツ交換を終え、寝たきり患者の清拭を終えたあおい。そのとき、同室の患者である田丸は「ひいきだ!」と、自分を清拭してくれないことへの不満をあらわにします。田丸は自分でお風呂に入れるにも関わらず、彼は「いーから拭いてよ 白衣の天使だろ」とあおいに詰め寄ります。
そのとき、もう1人の入院患者・木村が田丸を制止しました。その木村は、看護師の忙しさは良く分かっていると言うものの、趣味のプロレスの長話を一方的にあおいに続けます。その後も患者のレントゲン出しや検温、食事介助など多忙な業務をこなし続けるあおい。再び木村の長話にも付き合い、結局あおいは昼食を摂ることができませんでした。
その後、食欲不振と脱水症状だという高齢女性・谷村が入院してきます。あおいは午後からもリハビリ出しやナースコール対応など忙しく働き、日勤終了時刻となりました。しかし業務は終わることなく、入院患者11人分の看護記録と看護計画の立て直しを行います。
あおいの仕事が終わったのは、なんと22時半前。昨日より15分も早いと喜ぶあおいに、みたび木村が話しかけてきました。何度も入退院を繰り返す木村は、今日入院してきた高齢女性・谷村の裏事情を知っているようです。
谷村の親族は理事長と知り合いであることから、孫の受験や海外旅行など、家族の身勝手な理由でこの病院に放り込まれているそうです。そのとき、谷村の部屋からナースコールが鳴ります。あおいは思わず谷村のところに駆け寄ると、今にも泣きそうな顔の谷村が居ました。
その様子を見たあおいは、谷村の手を握り「少しお話でもしよっか」と微笑むのでした。
読者からは「看護師って大変なお仕事…」「あおいが頑張ってるように私も頑張らないと」などの声が寄せられています。そこで、作者のこしのりょうさんに話を聞きました。
本来医療の主役は「患者さん」、そして主役を身近で支えるのは「看護師」
―同作でとくに伝えたかったテーマを教えてください
連載が始まったばかりでしたので、主人公・あおいの働く環境(世界観)を読者の方に知ってもらいたかったのです。なので、看護師さんの1日をなるべく丁寧に追えるお話にしようと思いました。もちろんすべてではないですが。
―同作を描かれたのは2004年ごろとのことですが、現在と変わっているところ、変わっていないところなど教えてください
看護師さんの仕事は患者さんの体調の観察・管理、医師の補助、環境整備など多岐にわたります。あおいの時代はすべてやっていましたが、その後はシーツ交換など環境整備は看護助手さんがされてる病院も多くなってきてると思います。
もちろんハードの部分、器材やカルテ(今は電子カルテが多い)も技術の進歩により新しくなっていますが、患者さんや患者さん家族とのコミュニケーションがとても大切だというのは今も変わっていません。
ソフトの部分の重要性はこれからも変わらないと思います。
―この作品は連載作品ですが、別エピソードでも同様に看護師の奮闘を描かれているのでしょうか
医療ドラマの主役になるのは「医師」が多いですが、本来、医療の主役は「患者さん」、そして、その主役を一番身近で支えるのが「看護師」だと思っています。表にはあまり出てないかもしれませんが、とても大切な「仕事」だと感じていただけると良いかなと思って描いていました。
余談ですが…妻が看護師なので、いろいろお手伝いしてもらいました。ネタ出しや、取材先探しや、ネーム監修などなど。妻が納得して読める作品にするのが、まずこの作品のベースでした(笑)
<こしのりょうさん関連情報>
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『Ns’あおい』
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