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京大生が食文化の似ている都道府県をマップ化 意外な場所が中四国と似ている!? 「これは面白い」「やっぱり山って境なんだな」

中将 タカノリ 中将 タカノリ

国内の地域ごとの食文化を類型化したマップがSNS上で大きな注目を集めている。

「『どの地域の食文化が似ているか』を地図化してみた」

と件のマップを紹介したのは京都大学で地理学を学ぶ大学院生の重永瞬さん(@Naga_Kyoto)。

総務省統計局の家計調査より各県庁所在地の野菜や魚介など全212品目の消費金額を、階層クラスター分析によって類型化したというこのマップ。北陸が関西寄りだったり、和歌山が中四国と同じ類型だったりと、日本の食文化を考える上で非常に興味深い内容だ。

重永さんにお話を聞いた。

ーーこのテーマでマップ作成を思いついた経緯は?

重永:以前『統計から読み解く色分け日本地図』(彩図社)という本を書いたとき、消費統計から食文化の違いを読み解くコラムをいくつか執筆しました。そのときには野菜や肉類など個別の食品ごとの消費支出について地図化していたのですが、それらをまとめてみると、全体としての食文化の地域差が見えてくるのではないかと思い、今回の地図を作成するに至りました。

また、クラスター分析という手法の練習を一度してみたかったのも理由の一つです。

ーー作成にあたりこだわったことは?

重永:階層クラスター分析は、複数のデータ群を似ているものから順にグループ分けしていくというもので、最終的にいくつのグループに分けるかは分析者の判断にゆだねられます。

今回は47都道府県をまず6つに分類し、それをさらに12の小分類に分けるというやり方を取りました。東北、関東などの七地方区分、あるいは山陽と山陰のような、さらに下位の区分がうまく見えるような分類になるように区切りました。
また、小区分の色分けは、それぞれの大区分ごとに似たような色になるように工夫しました。

ーーマップ作成を通して新たな発見は?

重永:階層クラスター分析は、どことどこが近いかという地理的な近接性はまったく考慮していないのですが、結果的にどの区分も近いもの同士がまとまっていたことに驚きました。全体としては、よく使われる地方区分と食文化の区分は思っていたよりも一致しているのだな、という感想を抱きました。

地方区分からズレる箇所で言えば、中部地方が関東と関西にそれぞれ分かれている点や、和歌山が関西よりも中四国に似通っている点が興味深かったです。東日本/西日本の境界は、フォッサマグナの西縁である糸魚川ー静岡構造線にあると言われたりしますが、それは食文化にも当てはまると言えそうです。

ーーご投稿に対し大きな反響がありました。

重永:非常に反響が大きく、やはり食文化は興味を持つ人が多いテーマなのだなと思いました。北陸が関西寄りであること、北東北と南東北の食文化が違うことなどは、地元の方からも同意する意見が届きました。消費支出のデータを使う場合、同じ食材でも調理方法が違うような類の地域差は現れないというご指摘は重要だなと感じました。

今回用いたのは県庁所在地ごとのデータなのですが、旧国や旧藩などもっと細かな区分での違いを見たいというコメントも多く届きました。残念ながら現状そこまで細かな消費支出データは存在しないので、ぜひ総務省統計局に頑張ってもらいたいと思います(笑)。

◇ ◇

SNSユーザーたちから

「こう見るとやっぱり山って文化の境なんだなってよくわかる」
「静岡と愛知って近いのに食文化全く違うよな」
「これは面白い。定性的にどういうところで似通っているのかもぜひ知りたいですね。カップそば、うどんの出汁だと愛知岐阜あたりは東日本だったりすると思うけど、この結果では北陸以西と同じ西のグループに近いのか」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんがお住まいの地域はどんなグループに属しているだろうか?

なお重永さんは6月に講談社より、『新しい日本地理――地図・統計・移動から読み解く』という新書を出版する予定。今回のような統計地図から日本の地域構造の変化について考察する内容なので、ご興味ある方はぜひ重永さんのXで発表をチェックしていただきたい。

重永瞬さん関連情報

Xアカウント:https://x.com/Naga_Kyoto

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