「パッチギ!」や「ヒーローショー」などで知られる井筒和幸監督、久々の新作映画「国境」の撮影が現在、主演の伊藤英明さん、染谷将太さんの2人をはじめ多くのキャスト、スタッフを迎え、関西各地で行われています。その真っ只中である4月中旬、「“撮影中”会見」と銘打たれた取材会が、大阪の超高層ビル・あべのハルカスで開催されました。完成後ではなく、映画の“撮影中”にこのような機会が設けられるのは極めて異例のことです。どんな会見になるのか、覗いてみました。
会見場は、全面ガラス張りの窓から大阪の街を一望できる高層階の会議室。関西のテレビやラジオ、新聞、ウェブなどメディア数十社の前に、井筒監督と伊藤さん、染谷さん、そして原作者の黒川博行さん、プロデューサーの紀伊宗之さんがにこやかに登壇しました。
第一声「まいど!」でスベる伊藤英明
無精髭を蓄え、ワイルドな風貌の伊藤さんは、ヤクザの桑原を演じます。開口一番、大阪らしく「まいど!」と挨拶して軽くスベった後、「関西のメディアの皆さんと、和気あいあいとした会見にしようと自分なりに考えてきましたが、失笑されました」とやけに嬉しそう。桑原の相棒で建設コンサルタントの二宮を演じる染谷さんは、ボサボサの髪にグレーのダボっとしたセットアップ姿です。伊藤さんにつられて「まいど!」と切り出し、「本当に今まさに撮影中でございまして。このタイミングでの会見は不思議な感じです」と話しました。
伊藤さんは初の“井筒組”とあって、気合十分。しかし、実は30年ほど前にちょい役で井筒作品に出演したことがあり、その際に井筒監督から言われたことを今でも覚えているそうです。
「駆け出しの頃、ある役者さんについて行ったらそのまま出ることになって。セリフまであったんですけど、右も左もわからなくて、ただただ井筒監督が怖かった(笑)」
「撮影が終わった後、『兄ちゃん、もっと血が通った感じでセリフが言えたらええと思うわ』と声をかけてくださったんです。それが僕の俳優の原点。今回、井筒監督の繊細で熱い演技指導を間近で味わい、映画のすごさ、俳優のすごさにあらためて気づかされています。本当に毎日現場が楽しくてしょうがないです」
また、学生の頃から井筒作品が大好きだったという染谷さんも「まさか自分が井筒組の世界に入れる日が来るなんて思ってもいなかった。現場の熱量も高く、日々みんなで戦っているような感覚です。映画を作るってこんなに楽しいんだと噛み締める毎日です」と力を込めました。
本物の娯楽映画を目指して
「国境」は黒川さんによる人気作「疫病神シリーズ」のひとつ。桑原と二宮という対照的なコンビが、高飛びした詐欺師を追って北朝鮮に潜入するというストーリーです。
井筒監督は「黒川さんの原作を読んで、主役2人の絶妙な掛け合いから勝新太郎と田宮二郎の『悪名』シリーズを思い出した。巨匠たちが作り上げた、ああいう“本物”の娯楽映画を目指します」と語りました。
登壇した5人はメディアからの質問にも終始笑顔で応じ、時折そこここで笑い声が上がるなど、伊藤さんの当初の狙い通り「和気あいあい」とした雰囲気に。「撮影はまだ残っていますが、面白いシーンしかない。早く皆さんに見ていただけるのを楽しみにしています」(染谷さん)、「今日は『撮影中にいきなり記者会見』という珍しい経験ができました。公開まで盛り上げるためなら何でもしますので、番組などいつでも誘ってください。応援よろしくお願いします!」(伊藤さん)と、最後に主演2人が気を吐いて、異例の会見は終了しました。
現時点で公開時期は未定。撮影は今も関西のどこかで続行中…とのことです。
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