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不登校の子に寄り添い24年のフリースクール理事長 信条は「信じる、待つ、愛する」こと

京都新聞社 京都新聞社

 比嘉昇さん(85)は、京都府木津川市加茂町のフリースクール「夢街道国際交流子ども館」を運営する、認定NPO法人の理事長を務める。2002年に開館した同館では、人間関係や家庭環境に困難を抱える子どもに寄り添う。ひとり親の子ども向けの居場所支援もしており、「いろんな子どもたちが来てもらえる場所であってほしい」と話す。

 長年教員を務め、退職までの3年間は「荒れた」中学校の校長だった。生徒と対話を重ねて校内を徐々に落ち着かせたが、20人近くいた不登校の生徒には「何もしてあげられなかった」。その後悔から退職金や寄付金などを充て、木造2階建ての拠点を整備。妻の冶代さんとフリースクールを開館した。

 通う子らは、自分のスケジュールで勉強や遊びをして過ごす。大切にしていることは「体を動かすこと」で、散歩や敷地内の畑作業、バーベキューなどさまざまなイベントがある。「体験を重ねることで、目が生き生きしてくる」とほほえむ。

 子どもと向き合う際の信条は「信じる、待つ、愛する」ことだ。自分たちで考えて実行できれば自信につながるため「見守って、成長を信じて待ってあげる。そして愛することが大切」。

 開館から20年余り。フリースクールの認知度は広まり、17年には不登校の児童生徒への公的な支援を明記した法律が施行され、環境は変わった。しかし、自主的な活動を支援する体制はまだ足りていないと感じる。「子どもには十人十色の持ち味がある。それをどう生かすのかが教育の基本だと思うんです」

 高齢になって子どもと一緒に活動することは難しくなり、運営はスタッフに「少しずつバトンタッチしている」。ただ、早朝に同館を解錠したり、自身の小遣いで冷凍庫のアイスクリームを補充したりすることは続ける。高校進学のアドバイスにも乗り、「適材適所です」と笑う。

 同館の子どもの大半は高校に進学し、大学へ進んだ子も多い。不登校の子の中には、親が子どもを責めるケースもあるという。「不登校になるのは子どもが悪いのではない」とした上で、「ここに来て話し合うことで解決することもあるかもしれない。まずは一歩を踏み出してほしい」。

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