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台湾統治時代の恩人…新聞販売店の日本人店主を探しています 「せめて子孫にお礼を」亡き台湾人配達員の遺志を継ぎ研究者が情報呼びかけ

神戸新聞社 神戸新聞社

日本と台湾の歴史を研究する陳韋辰(ちん・えいたつ)さん(57)が、日本統治時代の台湾で、新聞販売店を営んでいた日本人男性を捜している。当時、店で働いていた陳さんの知人が店主との再会を果たせずにこの世を去ったといい、その遺志を継いで情報提供を呼びかけている。

陳さんは台湾在住で、約30年前に日本へ留学したことがある。約10年前から、日本統治下で日本人が台湾で残した功績に関心を持つようになり、現在は台湾で海ぶどうの養殖業を営みながら、日台の歴史研究や学校同士の文化交流の促進をボランティアで行っている。昨年には東京で日台友好の講演会に登壇した。

陳さんが捜す男性は、鹿児島県出身の日本人、尾上英治(または央知)さんとその縁戚者。尾上さんは、1920~30年代に台湾南東部の台東庁新港庄(今の台東県成功鎮)という港町で、書店と新聞販売店「日日新報」を営んでいたが、終戦に伴い、日本に引き揚げたという。

陳さんは自身の研究を進める中で、新聞販売店で配達員として働いていたという台湾人のオノ(林新偉=りん・しんえ)さんと出会った。オノさんは、店主の尾上さんにかわいがってもらっていたが、引き揚げの際、当時の混乱した状況の中で見送りができず、感謝を伝えられなかったことを悔やんでいたという。

陳さんは、その思いに共感して尾上さんの捜索に協力した。当時の公文書やオノさんの話をもとに日本の新聞社などを通して情報提供を呼びかけてきたが、有力な情報がないまま、2020年にオノさんは亡くなったという。

オノさんは生前、「せめて尾上さんの子孫にお礼が言いたい」と陳さんに語っていた。尾上さんにはオノさんと年の近い息子がいたといい、健在であれば、現在は90代半ばとみられる。

陳さんは現在も講演活動とともに、尾上さんと縁戚者に関する情報収集を続けており、「いつか尾上さんの写真を台湾に持ち帰り、オノさんの納骨堂に報告に行きたい」と話す。情報提供はメール(ccchen11@hotmail.com)で。

(まいどなニュース/神戸新聞・喜田美咲)

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陳さんは3月21日午後1時半から、大阪大学中之島センター(大阪市北区)で開かれるドキュメンタリー映画上映・講演会「陳さんと勝太郎」に登壇する予定だ。

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