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教員だった曽祖父母の部屋には300冊超の古書 掃除の予定が「お宝探し」に 教えるという仕事に向き合っていた2人の生きた証しだった

そんでなライターズ そんでなライターズ

107歳で亡くなった曽祖母の部屋を約10年ぶりに訪れたら、本棚に300冊以上の古書がびっしり並んでいた――。掃除のつもりが立ち読みで終わってしまったという投稿を、ひ孫にあたる男性がThreadsに投稿したところ、「入り浸りたい」「これはワクワクする」と反響を呼び、1万件のいいねを集めました。 

投稿したのは、日常のひとコマを発信する「犬」さん(@dog_man_dayo)。曽祖父母の部屋を訪れたきっかけは、父の実家を売却することになったためでした。父の実家には現在、伯父が1人で暮らしているものの、高齢になって家全体の管理が難しくなってきたことから、家を手放すことになったといいます。不用品は業者に引き取ってもらう予定でしたが、その前に一度、中を見ておきたいという思いから訪れたそう。

「父の実家自体には年に1回ほど行くことはありましたが、曽祖父母が使っていた部屋は離れのような場所にあり、伯父も普段ほとんど入ることがなかったようです。いわゆる『お宝探し』のような気持ちで行きました」

実際に扉を開けると、長い間手つかずだったことがすぐに分かる状態だったといいます。

「ほこりや小動物の痕跡もあり、とにかく荒れていて、最初の印象は『これは相当大変だな……』というものでした。懐かしさや感動というより、まずは汚さと物の多さに圧倒されたというのが正直なところです」

しかし、その中で目に入った本棚が、状況を一変させました。

「古い本がズラッと並んでいるのを見たときに、単なる不用品整理とは少し違うものがあるかもしれないと感じました。そこから掃除というよりも、『何が残っているのかを確かめたい』という気持ちが強くなっていきました」

最初に手に取ったのは、軍関係の分厚い本でした。背表紙に『歩兵第○○部隊史』と書かれており、字面のインパクトが強くて思わず手に取ったといいます。大学で物理学を専攻していた投稿主さんにとって、特に印象に残ったのは昭和2年の物理の教材でした。

「公式や記号は今と大きく変わらないのに、文章は『〜の如し』『〜すべし』という調子。内容は今にも通じるのに、言葉づかいには時代がはっきり出ていて面白かったです」

残されていた古書からもうかがえるように、投稿主さんの曽祖父母はかつて教員をしていたそう。几帳面な書き込みや、長く残されていた教材から、当時の勉強や仕事に対する曽祖父母の真面目な姿勢が垣間見えたといいます。

「『物をなかなか捨てられない人たちだった』と聞いていましたが、実際に本を見ると、単にため込んでいたのではなく、一つひとつを大切に使っていたことが分かりました。ただの古い本ではなく、曽祖父母が教える仕事に向き合っていた痕跡なのだと実感しましたね」

また、本棚にはオスマン帝国時代の地図など、現代とは異なる歴史資料も残されていました。古い地図や教材を通して、「本当に違う時代のものが、ここに残っていたんだな」と、そのすごさに圧倒されたといいます。

「『オスマン帝国』といった、現代では教科書や歴史の中で目にする言葉が、当時の資料の中では当然のものとして記されている。そのこと自体に、ただ『すごいな』と圧倒されました。現代の感覚で見ると歴史上のできごとや国名として受け止めてしまいますが、曽祖父母が生きていた時代には、そうした世界の捉え方がもっと身近な知識として存在していたのだと思うと、不思議な感覚がありました」

古書の数は300〜400冊ほど。投稿をきっかけに「神保町の書店に相談するとよいのでは」というコメントが多くあったことから、神保町の古書店などにも相談したといいます。しかし、教材は価値がつきにくいこともあり、引き取れる可能性があるのは軍事関係の本や昔の漫画、地図などが中心とのことだったそう。その後、出張査定の業者が見つかり、買い取りが進められたと説明します。

また、本以外にも掛け軸や壺、記念メダルなどの骨董(こっとう)品も眠っていたといいます。そちらも別の業者にお願いし、無事に買い取ってもらえたのだとか。

「古書だけでなく、家のあちこちから時代を感じるものが出てくるのが面白かったですね。ただ、家族の記録のようにも感じる教材は、手元に残せるものがあれば残したいです。多くの方が興味を持ってくださったことがうれしく、残されたものとどう向き合うか考えるきっかけになりました」

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