防犯対策について、日頃どれほど意識しているでしょうか。思わぬところが弱点になっているケースも多く、盲点に気づきを与えてくれると話題の漫画が『防犯の話とかちょっとする』(作・モドキさん)です。
物語は、マンションの踊り場から双眼鏡をのぞく怪しげな男に、管理人が「そこで何してんだい?」と声をかける場面から始まります。男は「バードウォッチングです」と微笑み、スケッチブックに描いた鳥の絵を見せます。さらに「そこの木でカラスが子育てしてるみたいで」と自然な振る舞いで説明し、管理人の疑念は払拭されます。
管理人が立ち去った後、男は再び双眼鏡を構えますが、実際に観察していたのは鳥ではありませんでした。スケッチブックの次のページには、近くのビルの見取り図が描かれていたのです。
男はマンション敷地の草むらに隠していたボストンバッグを取り出し、監視カメラの死角を確認しながら慎重に移動します。人目につかない場所で眼鏡やかつら、つけ髭を外し、「サーベラスセキュリティ」と書かれたジャンバーに着替えると、セキュリティ会社の社員という本来の姿に戻ります。
そのまま監視していたビルに向かった男は、「コンニチハ〜!お時間大丈夫ですか?」と社長に声をかけます。どうやら顔なじみらしく、「今回は御社に合わせたセキュリティプランを作ってきました」と切り出すものの、社長は「ウチは買わんぞ」と即答します。
男は引き下がらず、「御社なら簡単に侵入できてしまいます!」と断言します。社長は「どうやって?」とけげんそうに尋ね、男は観察で分かった弱点を次々と説明します。さらに「泥棒は欲しいものがあるから入るのではなく、入れそうだから入るのです」と語り、プロの視点で防犯意識の甘さを指摘するのでした。
思いもよらぬ弱点を突きつけられた社長は驚き、言葉を失います。そして、観念したように「……分かった、予算から検討しよう」と返事をしました。男は大喜びで、「ジョン・スミス」と書かれた自分の名刺を置いていくのでした。
読者からは「実際、こういう形のセキュリティチェックの仕事があるって聞いたことがある」や「蛇の道は蛇か…」など、様々な声が寄せられています。そこで同作について、作者のモドキさんに話を聞きました。
自分が好きな物を他の方にも好きになって貰いたかった
―同作を描いたきっかけを。
元々詐欺や泥棒の手口を題材にした作品が好きでして、いろいろ調べていく内に防犯そのものが興味の対象になりました。調べたことを作品にして発表したかったこと、気に入ったキャラクターが出来たこと。自分が好きな物を他の方にも好きになって貰いたかったこと。これらがきっかけです。
ー防犯に関する知識は実際に調べたのでしょうか?
基本的に調べて描いております。書籍やセキュリティ会社や警察のホームページだったり、SNSで見かけた被害から調べたりなど。とはいえ漫画を面白くするために多少脚色はしますし、素人ですので専門家の方から見ると考えの浅いものであるだろうなと思っております。
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