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車の「レストア」とは?一般的な整備やメンテナンスとは違う…【費用や注意点を整備士が解説】

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

一般的なカーオーナーにとって、なかなか馴染みのない「レストア」という言葉。古い車を現代でも乗ることができるようにするためにとても重要な作業のことを指します。

本記事では、レストアがどういったものなのか、費用や注意点、オーバーホールとの違いについて現役の整備士が解説します。

車のレストアとは

レストア(restore)は「再構築する」という意味を持ちます。

車のレストアとは、そのままでは使用することが困難な状態の車を、修理・部品交換などを実施して再び元のきれいな状態に戻し、安全に公道を走れる状態にすることを指します。

一般的な車のメンテナンスや整備とは異なり、普通の感覚では廃車になるような車も復活させます。

時には錆が酷くボディに穴の空いたような車でさえも、きれいに修復することもあります。エンジンやトランスミッションといった機関だけではなく、フレームやボディ、内装にまで手を加えるため、レストアの際にはあらゆる部品を取り外して、ボディのみの丸裸状態とすることも珍しくありません。

▽レストアは主にクラシックカーを対象にしたもの

レストアという言葉は主にクラシックカーに対して使われます。

クラシックカーは「旧車」「ヴィンテージカー」「オールドカー」「ヒストリックカー」「ノスタルジックカー」といったように、その趣の違いや解釈によりさまざまな分類がされ、それらに応じた言い方をしますが、いずれも製造後数十年経った古い車のことを指します。

明確に何年経てばクラシックカーという定義はなく、時代の移り変わりと共に該当する車も増えていくことになります。

参考までに、日本クラシックカー協会が主催するクラシックカーレースの参加規定は、2025年9月現在において、「1975 年までに生産された車両およびその同型車に限り 1979 年までに生産された車両」と規定されています。

レストアにかかる費用や期間の目安

レストアは非常に高額かつ、時間を要する作業です。費用も時間も根気と覚悟が必要です。

▽レストアにかかる費用は数百万円単位の費用が必須か

レストアはそれぞれの車に応じてメニューが変わるだけではなく、長年の使用または放置された状況によって一台一台の車の状態が異なります。

同じ作業をするにしても難易度や手間が異なるため、明確な費用の目安を示すことが難しいです。

ごく一部分のみのレストア作業であれば、数十万円で済むような作業メニューもあります。ただし、一般的なレストア作業の難易度や所要時間を考慮すると、数百万円単位の費用がかかることがほとんどだと理解しておきましょう。新車時の販売価格を超えるようなレストア費用がかかることも珍しくありません。

また、なかには特定の車種に向けて自動車メーカーが公式でおこなっているレストアプランがあります。(例:マツダのNAロードスターレストアサービス

メーカーが実施するレストアという安心と信頼は大きいですが、こちらの場合だと費用はボディと外装だけでも「451万円〜」、フルレストアとなると「836万円〜」となっています。このレストアサービスに該当するマツダのユーノスロードスターは新車販売時の価格は200万円前後だったので、レストアが非常に高額な整備作業であることが伺えます。

▽レストアには長期間かかる覚悟を

すでに解説したように、レストアは非常に高額な費用がかかる作業です。高額な作業ということは、それだけ作業人員の時間の確保が必要ということにもなり、レストアは長期間の作業が必須となります。

また、レストアに際して旧車は交換部品がすでに廃盤となっていることも多く、そういった部品は代替部品を探したり、場合によってはワンオフ製作する必要も出てきます。

当然、その都度作業がストップするかたちとなるのでおのずと作業期間が延びます。先ほども触れたように部分的なレストアで、たとえばシートやルーフライニングのリフレッシュ程度であれば、場合によっては数週間〜1ヶ月でレストアが完了することもあります。

しかし、基本的にはレストアには短くとも数ヶ月、長くなると数年単位で時間がかかるケースも出てきます。

費用と同じくベースとなる車の状態、どのような作業をおこなうかで、かかる時間も千差万別です。

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