近頃の高校家庭科の授業内容がSNS上で大きな注目を集めている。
「長女の高校家庭科、どんなかな?と思ったら『給与明細の見方』とかやっててすごく良い。私も会社員になったとき社会保険料とか控除とか全然わかってなかったから…支給額と手取りの差にびっくりしたりした。社会に出る前に知っておきたかったな〜」
と授業で使用された冊子を紹介したのは漫画家、イラストレーターのフクチマミさん(@fukuchi_mami)。
フクチさんが紹介したのは東京都産業労働局が配布している「これだけは知っておきたい働くときの知識 高校生版」。若者が早い段階から労働法の基礎知識を持てるよう、社会に出るに際して必要となる求人票の見方、職業生活で必要となる給与明細の見方や、職場生活上のトラブルに遭遇した場合の相談先などについて説明した内容だ。
フクチさんにお話を聞いた。
ーーこの冊子をご覧になった感想を。
フクチ:私自身、学生時代に社会保険のことも給与の内訳も具体的に教わったことがなくて、実際に就職後、給与明細を見た時もよくわからなかったです。「でも会社がやってることだからこういうものなのだろう…でも随分引かれてるけど、これって何に使われるお金?」と漠然とモヤモヤしていた時期がありました。ですから、今高校生が家庭科で「給与明細の見方」を学べると知って、すごくいいな!と思いました。
ーーこうやって現実的な問題を教えてくれるのはいいですね。
フクチ:家庭科の教科書ではないのですが、今の高校生は「公共」という科目があって憲法や選挙の仕組みなどの主権者教育も学べるようです。娘も「公共の授業を受けるとニュースがわかるようになって面白い」と言っていました。
ーー投稿に大きな反響がありました。
フクチ:「すごくいい!」「自分も学びたかった」という声がほとんどでした。それだけ皆さん給与明細の内容に戸惑った経験があるのかもしれません。
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SNSユーザー達から
「私、家庭科を担当している教員です。 成人年齢が18歳になり、さまざまな問題がある中、授業で取り上げています。その保護者の方からこのようなお考えいただき嬉しく思います。ありがとうございます。」
「『給与明細の見方』は、本当に社会に出る前に知りたかったことの一つですよね。税金とか控除って、親も『えーっと…』となりがちなので、学校で教えてくれるの、最高にありがたい お嬢さんの高校、素晴らしいですね!」
「となると 源泉徴収と確定申告の関係 住民税の前年所得課税 所得税の申告納税制度と住民税の賦課徴収制度 あたりは家庭科の学習内容に入るわけか。。。」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。「これだけは知っておきたい働くときの知識 高校生版」はウェブ上でも読むことができるので、大人の方もぜひご覧いただきたい。
なお今回の話題を提供してくれたフクチさんは日常の気になる事柄をわかりやすく説明する漫画を手がけている。子供のいる家庭に向け教育費、家計管理、老後資金、保険などについて説明した『マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK』(新潮社)や、小学生が知りたいと思うテーマについて優しく説明した性教育マンガ『おうち性教育はじめます』シリーズなど数々の良著があるので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
フクチマミさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/fukuchi_mami
『マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK』(新潮社):https://amzn.asia/d/esiMnwh
こどもせいきょういくはじめます おうち性教育はじめますシリーズ(KADOKAWA):https://amzn.asia/d/8mW5I2w
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「これだけは知っておきたい働くときの知識 高校生版」(東京都労働産業局):https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/shiryo/r7koukousei_0_hyousi.pdf