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ドレス破りや露骨ないびりは時代遅れ? 令和のキャバクラやラウンジにはびこるドロドロバトルの実態【いやがらせ被害者キャストに取材】

たかなし 亜妖 たかなし 亜妖

夜の世界(キャバクラやホスト、大人のお店など)では、周りにいるキャスト全員がライバルと考えられがちです。キャスト同士は“競い合う相手”のため、世間の人が想像する以上にすぐ人間関係がこじれます。

現在の歓楽街では、ドラマで見るような表立ったいじめはほぼゼロ。特に都会の店は忙しいので他人のドレスを破ったり、捨てたりする暇などないのです。しかし、それでも小さな嫌がらせやトラブルは絶えません。SNS時代に突入して以来はネットを中心とした邪魔し仕合いが目立っている状況です。

ニコイチから敵へ……距離感近め女子の本性

「しょっちゅうアイバン(複数名の客が来店した時、客がそれぞれの女の子を指名し相席状態になること)を組む女の子・Rがいました。彼女は後から入ってきたけどすごいフレンドリーで、他のキャストからも評判が良くすぐに打ち解けていましたね。私もアイバンが多いことから仲が深まり、一時期は毎日のように遊んでいたくらいです」

そう話すのは、キャバ嬢のさゆりさん(仮名)です。さゆりさんとRさんは全体的な雰囲気が似ており、店内では双子と呼ばれていたほど。彼女はとても人見知りでキャスト同士の交流が薄く、入店後初めて仲が良くなった相手がRさんでした(以下『』内、さゆりさん談)。

『Rから“初めて見た時から仲良くしたかった!”と言われ、うれしかったです。すごく素直で距離感近めに寄ってくるから、私も油断してなんでも話していました。ようやく友達ができたことに浮かれて、うっかりこちらのガードを下げてしまったんですよ』

仲が深まってから早5カ月が経過。2人のアイバン卓もどんどん増えていきましたが、ある日さゆりさんは付き合いの長いお客さんに「ねぇ、俺のこと悪く言ってたの?」なんて質問をされます。話を聞くと、よく行くアフターバーやその周辺を中心に、さゆりさんの悪い噂が流れているというのです。

全く身に覚えがなく焦る中、ふとした違和感に気づきます。なんとさゆりさんの指名客だった人が数名、Rさんへ指名替えし、売り上げを独占していました。案の定、噂を流していたのはRさんです。本性を表したRさんは人が変わったかのように店内でさゆりさんを無視し始め、あることないことを周りに吹き込み、見事なまでの蹴落としをしてきました。

『多分、キャラ被りした私のことが本当は邪魔だったんだと思います。急接近してきたのも、最初から追い落とすのが目的で、お客さんを奪う気満々だったんでしょうね』

黒服に相談しても「売り上げがある子だから速攻で首にできない」と返され、気まずい状態のまま出勤を続けます。その後、居心地の悪さと黒服の対応に疑問を抱き、さゆりさんは退店することに。あまりに理不尽な話ですが、この手のトラブルは歓楽街でよくある話です。結局数字がモノを言う世界だと思うと、やるせない気持ちになりますね。

SNSでのおこぼれがほしいキャストにイライラ!

Instagramのフォロワーが約3万人のキャバ嬢ここみさん(仮名)はSNS集客に力を入れていました。店内でフリー(指名が決まっていないお客さんのこと)を待つよりも、自己集客のメリットが多い点に気づいてから、マメな更新を心掛けています(以下『』内、ここみさん談)。

『フォロワーは1万人乗せるまでが大変です。でも、そのラインを超えるとあとはどんどん増えていくんですよ』

自力でアカウントを育て、運用を徹底的に研究した彼女。フォロワーから指名で来店し、高いボトルを卸してもらった経験もあります。地道な努力が実を結んだ素晴らしい例ですが、そんなここみさんを利用するズルいキャストが現れてしまいました。

『キャバ嬢同士ストーリーとかに載せ合うと相乗効果でフォロワーが増えたり、W指名で来店するケースもあるにはあるんですよ。そんなオイシイところを狙ったキャストのLちゃんが、たいして仲良くないのに私とやたら写真を撮りたがり、SNSで仲良しアピールをし始めた(苦笑)これがすごい迷惑だったんです』

Lさんは「私のことをタグ付けして載せてほしい」などのお願いが多く、時にはここみさんの卓で入ったシャンパンをあたかも自分のモノのようにアップしていました。

『あくまでLちゃんはヘルプで卓についていただけです。それなのに、自分にシャンパンが入ったかのようなストーリーをアップしたり……。いろいろ図々しいんですよ、タグづけもフォロワー稼ぎのために私を利用したいだけですから』

ここみさんは性格的に、面と向かってハッキリ言えないタイプ。“全面戦争”がムリなことからLさんを自分の卓に着かせないようNGを出したり、SNSに載せるための2ショット撮影をやんわりと逃れたり。“察して”と言わんばかりの行動で、冷戦を続けます。

Lさんもここみさんの態度に気づいたのか、徐々に無理なお願いはなくなってきたものの、ある日を境に、ここみさんはアカウントをブロックされました。おまけにご自身の指名客に「彼女は融通が利かない」や「自分がフォロワー多いからって、調子に乗っている」という愚痴を吐いていたそう。そして大型店ではないために、変な噂はすぐに本人であるここみさんの耳に入ってしまうのです。

現在も、2人は同じ店に在籍中。お互いに“卓NG”を出し合い、関わりは挨拶のみです。大きなトラブルではないけれど、冷戦は続いているとのことです。

『向こうも店を辞めないから、根性あるなと(笑)大きな問題へ発展させるほどの深刻さはないし、客取られたとかもないから放っておいてる最中。自分に非はないと思っているので、今後も堂々としているつもりですよ』

近頃はドロドロの“粘度”が強まり、SNSでの悪口リークや勝手な暴露、掲示板を使った落とし込みが増えています。使用ツールが増えると一筋縄ではいかない問題も山ほど増えるとなると、高収入の代償は本当に大きいのです。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

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