先日、「医者が教える健康法よりも、医者の薦める『カップ麺』の方が信憑性がある」という投稿がX(旧Twitter)上で話題になった。
救急対応や緊急の呼び出しなど、食事を取り損ねることも多い医療関係者にとって、いつでもすぐに食べられる「カップ麺」は不動の人気を誇る食品だ。
「医局のカップ麺の自販機はすぐ売り切れる」「病院内の売店で先生方がカップ麺を抱えて出て行く姿をよく目撃する」といった証言と共に、ネット民たちの「イチオシのカップ麺」の情報も続々と寄せられた。
そんな中、心療内科専門医、あもう(@QjadtncbKrPf3Ed)さんの投稿が大きな注目を集めた。
2時間後でも美味しいのは…
「どん兵衛一択。お湯を入れた直後に緊急で呼ばれて、這々(ほうほう)の体で2時間後に戻ってきたとしても、汁はないけど美味しいと思えるのはどん兵衛です」
<あもうさんのXの投稿より>
435万回以上表示され、6万以上のいいねがついた、あもう先生の投稿に対して、「理由が…ホントいつもありがとうございます(涙)」という感謝のコメントと共に、「伸びたどん兵衛はおいしいですね。私はいつも10分寝かせてます」といった猛者からの共感も声も寄せられた。
あもう先生に話を聞いたところ、先生イチオシのどん兵衛は、関西版「どん兵衛 きつねうどん」なのだそう。
「どん兵衛はもちろん、忙しい医療職の味方である日清食品さんの商品には本当に助けられています。これからもファンを増やし続けていただければと思います」(あもうさん)
心療内科医の「緊急対応」が必要なケースとは?
救急対応のイメージがあまりない「心療内科」だが、あもう先生によると、緊急を要するケースは少なくないそうだ。
「例えば、手術の後や感染症などが原因で、患者さんが『過活動型せん妄』を起こすことがよくあります。そうなると、興奮して点滴や治療に必要な管を抜いてしまったり、場合によっては周囲のスタッフに暴力行為が及ぶため、出来るだけ早く現場に行き、患者さんとスタッフの安全を確保する必要があります。
でもこういう場合、対応にかかる時間は長くて1時間くらいです。2時間以上かかるのは、自殺企図などの救急患者さんが来られた時かと思います」(あもうさん)
「何だかおかしい」と思ったら受診して
まだまだ専門医の数自体が少ないという「心療内科」について、「心療内科は、『身体とこころを双方向から診療する内科』になります」と、あもう先生。
「ストレス環境の中で、不眠や頭痛、動悸や腹痛、身体の痛みが生じるケースや、ストレスが要因で高血圧や糖尿病などが悪化することもあります。また、私の専門はがん患者さんのこころのケアなのですが、がんなどの重篤な疾患になられた患者さんの不安に対するサポートも行っています。
当科に来られる患者さんは、頑張った果てに体調不良に至る方が多いので、”何だかおかしいな”と思った時点で受診を考えていただければと思います。心療内科専門医の数は少ないですが、患者さんのお役に立てるように引き続き精進したいと思います」(あもうさん)
◼︎「心療内科って何?」心療内科の医師・臨床心理士・関係者が、「心療内科」を舞台にした小説を書いてみた。