漫画に登場するヤンキーといえば、漢気(おとこぎ)にあふれた硬派な印象が強いですよね。「サンデーGX」や「サンデーうぇぶり」で連載中の『限界!推し活伝説 YOSHIO』(作:齊藤万丈)の主人公は少し変わっており、最強と呼ばれるヤンキーなのにもかかわらず、作中に登場する魔法少女アニメの“限界オタク”という設定です。
以前X(旧Twitter)に『推し絵師のイラストが無断使用されてた不良の話』というエピソードが投稿されると、4.1万もの「いいね」が寄せられています。
南宗市には悪ガキ共の頂点「南宗四天王」が存在しており、中でも最強の男といわれているのが里見高校2年の「仁志義男」でした。強面のルックスの義男には、魔法少女アニメ「メリィネイチャー」の限界オタクという意外な一面もあります。健やかなオタクライフを過ごしたいと思っていてもヤンキーたちに絡まれてしまい、波乱万丈な“限界推し活物語”が繰り広げられるのでした。
――本気のケンカ以外では拳を使わずに足だけで応戦する義男。すなわち、拳が出る時は彼が本気になった証拠なのです。
いつものようにケンカしたあとに帰宅した義男は、絵師の「ナッツ」が描く「メリィネイチャー」のキャラ「春真」のファンアートを眺めていました。ナッツのイラストが相当好みのようで、「石油を掘り当てたら全額振り込む」「生まれてきてくれて、ありがとう」と心の中でつぶやく義男。そんななか、ナッツのSNSで「最近私のイラストを無断使用したグッズを見かけます」という投稿が。ファンである義男も「困った連中だな」と呆れるのでした。
ある日、義男が街中を歩いていると、春真のイラストがプリントされたTシャツを着た少年に遭遇。彼を問いただすと、購入した店を教えてもらい、義男はその店の人に「描いた方に許可取りましたか」と尋ねます。しかし、「ネットで出てきた画像をテキトーに印刷したけど?」「何か問題でも?」と悪びれる様子が一切ない店主。春真も食い下がり、「ネット上のイラストにも権利がある」「『ご自由にどうぞ』とは、一言も言っていない」と指摘を続けます。
それでも店主は開き直った態度を続けて「お兄さんももっと、頭やわらかくして生きな!」と言い放った瞬間、義男は間髪を入れずに右手の拳を振り抜きます。
「誰かの“好き”を誰かの“愛”を悪用する奴はゴミ以下だ」と店主に告げ、さらに著作権違反の商売を辞めるように問いつめる義男。彼の殺気に怯えている店主は逃げるように退散するのでした。
氷山の一角を倒しただけでしかない義男はモヤモヤしながらも、新たに更新されたナッツのファンアートを見て笑顔を浮かべます。その一方、村坂工業高校2年で南宗四天王のひとり「阿礼那智」が「作者自らブッ飛ばしてやろーと、思ってたんだけどなァー」と意味深な言葉をつぶやき、さらに「仁志義男だっけ。なァんであそこにいたんだが…」と続けて不敵な笑みをもらすのでした。
読者からは「ギャップにくらった」「義男の熱いセリフが名言すぎる」など好評の声が。そこで作者の齊藤さんに、同作について話を聞きました。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
学生時代にふと「隠れてオタクやってる不良が主役の不良漫画読みたいなあ」と思い、趣味で描き始めたのが最初でした。
―Xに投稿された『推し絵師のイラストが無断使用されてた不良の話』の中で、特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒にぜひお聞かせください。
義男が相手の不良を殴った後に、胸ぐらを掴んで詰め寄るシーンが好きです。「不良としての野蛮さ」と「オタクとしての気持ち」が同時に表せたような気がしたので…。
―ツッパリたちと魔法少女アニメ「メリィネイチャー」の作画にギャップがありますが、どちらの方が描きやすいなどあるのでしょうか?
素の絵柄は義男のほうなので、とにかくメリィネイチャーのキャラを描くのが大変です。毎回いろいろなアニメやゲームのイラストを見ながら描いているので、顔ひとつ描くのにかなりの時間がかかります……最近やっと慣れてきました!
―読者にメッセージをお願いいたします。
読んでくださる方がいるおかげで、この話を描き続けることができています。『YOSHIO』が、日常の中のちょっとした息抜きになれるよう、今後も頑張らせていただきます。
<齊藤万丈さん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/baaang_joe
▽『限界!推し活伝説 YOSHIO』公式Xアカウント
https://x.com/yoshi0808_mery
▽『限界!推し活伝説 YOSHIO』をサンデーうぇぶりで読む
https://www.sunday-webry.com/episode/14079602755350630522
▽『限界!推し活伝説 YOSHIO』(Amazon)
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