子どもの頃によく遊んでいた友人と、時を経て再会する経験は思い出深いものです。経験がある人であれば、久しぶりの再会で当時を思い出し、変わらぬ友人の様子に安堵したこともあったでしょう。
漫画家のこうしさんによる『きみは四葉のクローバー』(秋田書店)は、かつて人気者だった主人公が、イジメや家庭問題などで絶望を抱える中、小学生時代の初恋相手と久しぶりに再会することで、運命が変わり始める様子が描かれたラブサスペンス&ミステリー作品です。
同作は「週刊少年チャンピオン」で連載中の作品で、2月7日には単行本の2巻が発売されました。また、以前こうしさんのX(旧Twitter)に同作の第1話がポストされると、3万もの「いいね」が寄せられ“万バズ”を達成しています。
小学生の頃、クラスで人気者だった「宇一」は、初恋相手の「よつは」に「将来は獣医になる」と約束を交わしました。
しかし時を経て、高校生になった宇一は小学生時代と一変し、同級生からの酷いイジメや精神を乱しやすい母に怯える毎日を過ごしています。それでも獣医になる夢を諦めていない宇一は、地道に勉強を続けていました。
そんなある日、小学生時代に転校で離れ離れになったよつはが何の前ぶれもなく、宇一の部屋の窓から登場します。「隣に引っ越してきた」と言うよつはは宇一との久しぶりの再会に喜び、当時と変わらない明るさで宇一に接し、さらに「大好き」「もう全部 大丈夫だからね」と思いを伝えるのでした。
その後、帰ることにしたよつはは宇一の母や姉、ちょうど帰宅してきた父に挨拶をします。そして玄関で「さようなら!」と言って宇一たちに背中を向けた直後、よつはの顏は殺意に満ちた表情に一変して「人殺しども」とつぶやくのでした。
意味深に描かれる誰かの死に装束姿や、「今度は私が殺してやる」というよつはの心の中の独白が衝撃的な第1話です。この展開に読者からは「可愛い表情からの落差にゾッとした」「何を企んでいるか分からないからこそ先が気になる」「明るくしているのが余計に怖い」などの反響が続出。そこで作者であるこうしさんに、同作を手がけたきっかけについて話を聞きました。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
鬱な展開を一気に明るくぶち壊してくれるかわいい全肯定ヒロインを描きたかったのがきっかけです。それから好きな要素(サイコめの裏表があるキャラなど)や面白くなりそうな要素を足して今の作品になりました。
―第1話を描いたうえで特に注目してほしいポイントがあれば、ぜひ教えてください。
シーンによって大きく作風が変わるところです。いろんな感情になって読んでほしいです。
―現在も「週刊少年チャンピオン」にて連載されている作品ですが、ラストまでの構想は固まっているのでしょうか?
ざっくりとは考えていますが、いつもネームにしてみたら大きく変わるので、予定通りの展開になるかは私にもわかりません。よく「ハッピーエンドにしてほしい!」と言ってもらえるのですが、私にもわかりません…!
―読者にメッセージをお願いいたします。
とてつもない数の漫画がある中で、私の漫画を見つけてくださり、読んでくださり、本当にありがとうございます!これからも楽しんでもらえるように頑張ります!
<こうしさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/kousikyun
▽チャンピオンクロスで『きみは四葉のクローバー』を読む
https://championcross.jp/series/f744ef1a6decb
▽『きみは四葉のクローバー』(Amazon)
https://amzn.asia/d/d75Ld7A