干し芋食べたら「銀歯取れた」「歯折れた」 餅やガムだけじゃない…年末年始に意外と多い歯のトラブル

金井 かおる 金井 かおる

 年末年始になると、餅を喉に詰まらせないようにという注意喚起をよく見聞きします。もう一つ気をつけたいのが、粘着性のある食べ物によって歯の被せ物や詰め物が取れるトラブルです。餅やガム、キャラメルなどはよく知られていますが、近年人気の干し芋も注意が必要。市販の干し芋の中には、パッケージの裏面に「歯科治療剤がとれる場合がありますのでご注意ください」といった注意書きがあるものも。お正月は休診する歯科医院が多いですが、もし取れたらどうすればいいのでしょうか。

歯科「放置すると虫歯の進行が…」

 東京と埼玉に9カ所の診療所を運営する「歯友会 赤羽歯科」(本部、東京都北区)によると、年始は干し芋などの食べ物により歯の詰め物が取れた患者が増えるそうです。

 歯の被せ物は経年劣化や虫歯などが原因で弱くなり、外れてしまうことがあります。また、仮の被せ物の場合は、粘着のある食べ物がくっつくと外れてしまいます。

 同歯科では歯の詰め物や被せ物が取れた場合の対処法として、次の2つを挙げています。

 1つ目は、外れた被せ物は自分で付けずに保管すること。

 「外れた被せ物や詰め物はティッシュペーパーで保管せず容器で保管しましょう。ティッシュペーパーだと変形する可能性があります。また、自分で無理に付け直した場合、変形する可能性があります。また、市販の接着剤と歯科の接着剤は別物なのでにおいの原因になったりします」(赤羽歯科)

 2つ目は、そのまま放置せずに、最低でも1カ月以内に歯科医を受診すること。

 「外れたまま放置すると汚れがたまりやすくなり、歯周病や虫歯の原因になったりします。また上手く噛めなくなり噛み合わせが悪くなります。最低でも1カ月以内に受診する事をおすすめします。予約を取れた日にちが遠くなってしまった場合はその箇所で噛むのを控え、また温度差がある食事は避けましょう。そして歯磨きの際外れた場所を丁寧に磨いて汚れが残らないようにしましょう」(赤羽歯科)

 同歯科では「1カ月放置すると虫歯の進行が始まります。半年放置すると歯が欠けていくのでそれを防ぐためにも外れてしまった時はスピーディに対処しましょう」と呼びかけています。

 参考資料「赤羽歯科信濃町診療所」公式サイトコラム・ブログ「詰め物、被せ物が外れてしまったら…」

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 干し芋というと固いイメージでしたが、最近はスイーツとしても人気が高く、甘くてねっとりとやわらかいものなど、さまざまな商品が登場しています。

 ネット上には「干し芋食べてたら歯が取れた」「干し芋かじってたら歯が折れた」「干し芋で歯の詰め物取れた」「干し芋で銀歯取れた。歯医者行かなきゃ」といった体験談が。「歯にくっつかない干し芋があれば…」と新商品を熱望する声もあります。

 歯は一生もの。少しでも異変に気付いたら、放置せず歯科受診を。

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