「猫と一緒に暮らたい」叶った長年の夢 愛猫は難病で天国へ そして保護猫との出会い 「今はこの子たちを幸せにすることが喜び」

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

福岡県太宰府市にあるレコーディング&リハーサルスタジオ「音楽堂PLUM」。店に入ると受付で美しい白猫弟妹が出迎えてくれる。店長でレコーディングエンジニアの徳永大知さん、真理子さん夫妻の飼い猫「とうふ」(オス)と「ゆば」(メス、ともに2歳5ヶ月)だ。長年、猫を飼うのが夢だった夫婦。3年前、自宅敷地内に迷い込み、瀕死の状態だった先代猫「プリン」(メス、9ヶ月で没)を保護し、その夢は叶ったのだが…。その後どんなことがあったのか、大知さん、真理子さんに話を聞いた。

真理子さん 夫も私も猫は大好きだったんですけど、仕事柄、徹夜もあるなど不規則な生活をしていたので、猫を飼うのは無理だと諦めていました。YouTubeで毎日、猫動画を見ながら「いつか猫を飼える日がきたらいいね」って言い合っていたんです。 

大知さん 出会いは突然でした。3年前(2021年)のある日、生後1ヶ月ほどの子猫が自宅敷地内に迷い込み、瀕死の状態で倒れていたんです。それがプリンでした。ぐったりして動かなかったので、これはやばいとすぐに病院へ連れていきました。

真理子さん 猫風邪もひどく目も開けられない状態でした。治療を続け、やがて元気になったとき、猫と一緒に暮らしたいという長年の夢が思わぬ形で叶って、夫も私もすごく嬉しくて。私たちには子どもがいないこともあり、我が子を授かったような気分でした。プリンを自宅で留守番させるのが心配で、店のオーナーにかけあい、店に連れていく許可を得ました。夜は0時で仕事を必ず終えると決め、プリン中心の生活へと変えました。

大知さん ところが、3ヶ月が経っても、体があまり大きくならず、成長が遅いんですよ。そのうち座っていたら突然後ろに倒れるような動きをみせるようになり、これはおかしいと。病院で詳しい検査をしてもらったところ「脳に異常がある難病で、今のところ治療法はない」「現状維持かもしれないし、治るかもしれないし、悪化して亡くなるかもしれない」との診断でした。

大知さん 病院から帰る車の中で、妻と号泣しました。治療法はないとはいえ、なんとかしてあげたい、何かできることはないかと、同じような症例を調べまくりました。食事や排泄などつきっきりで世話をし、少しでも過ごしやすいように環境を整えたのですが、それから4ヶ月ほどでプリンは天国へ旅立ってしまいました。僕たちはただ見守るしかなく、何もできなかった…。それがすごく悔しかったです。

真理子さん 病気が判明したある日、私が出勤前に悲しくなって泣いていると、プリンはあまり動けないはずなのに(自宅の)階段をダダダって降りていって、またすごい勢いで2、3段駆け上がってきて…。その姿を見たとき「わたしは元気だよ。だから心配しないでね」って言ってくれてるんだろうなって…(泣)。私たちにとっは天使のような子でした。

大知さん 店のお客さんたちも「必ずよくなるよ」「元気出して」って声をかけてくれて。それが励みになりました。プリンの存在が大きすぎて、亡くなったときは何もやる気が起きませんでした。でも、このプリンへの思いを、このまま胸の内に封じこめてしまうだけではいけないんじゃないかとも思いました。プリンと暮らすなかで、他にも幸せを求めている保護猫がたくさんいることを知り、僕たちが1匹でも2匹でも引き取って里親になれば、プリンもきっと喜んでくれるんじゃないか。それで僕らも前に進めるんじゃないかと思い、保護猫ボランティアをされている方に相談したところ、出会ったのが、とうふとゆばなんです。

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