千葉県我孫子市で猫の世話や保護・譲渡活動を行う団体、ねこ友会。同団体では定期的に地域猫たちが暮らすエリアでTNR(野良猫を捕獲して避妊・去勢手術を行い、元の場所に返す活動)を行っています。
2023年初め、とある地域でTNRのために捕獲した複数の猫のうち、骨折の跡があるメスがいました。
避妊手術をしたとしても、このままの状態で外猫として戻すにはあまりに危険です。ねこ友会ではこのメス猫は元いた場所には返さず保護し、世話やケアをした後に、家猫として里親さんへ譲渡することに決めました。
みらいの骨折跡の原因は交通事故?
後にこの猫につけられた名前は「みらい」。「これから先の猫生が明るく幸せな『未来』であってほしい」という願いが込められています。
みらいの骨折跡の原因は明らかにできませんが、元いたエリアは車などの往来が激しい地域です。交通事故に遭って骨折し、自然治癒したのかもしれません。
医療面では獣医師の診断をあおぎながら、健康を取り戻してもらうことに。小さな体で痛みに耐え、生き抜いてきたみらいを安心して過ごせる環境に導くべく、ねこ友会の世話がスタートしました。
激しい威嚇から数週間後にはゴロニャーン
スタッフの思いとは裏腹にみらいはとにかく人嫌い。人間が近づいてくるだけでシャー。みらいの体に触れようすれば噛み付かんばかりに牙を剥きました。また、保護猫は、保護されてからしばらくは環境の変化に対する不安から夜鳴きをすることがありますが、みらいの場合も一週間ほど続きました。
しかし、過去に預かった保護猫たちのお世話をし、夜鳴きにも慣れているスタッフは慌てません。「大丈夫大丈夫。そのうちきっと本来の性格を出してくれるようになるよね」とみらいに語りかけました。
みらいは夜鳴きをしながらも「この人は悪い人じゃない」「ここは安心できる場所なのかもしれない」と悟ってくれたのか、数日でケージ内のベッドから出てくるようになりました。そして徐々に警戒心も解け、数週間後にはスタッフにゴロニャーンと甘えてくるようになりました。
スタッフは「こんなに早く懐いてくれたの?」と驚きながらも大喜び。そして、そんなみらいを思いっきり甘やかせてあげるように接しました。
パソコンの上にデンと座って大あくび
と、ここまでは良かったのですが、みらいの甘えん坊ぶりは日に日に増長。ときにはスタッフのパソコンのキーボードの上にデンと座り、大あくびをしながら「パソコンじゃなくて、私と遊ぶほうが良いんじゃないのぉ〜?」と言わんばかりのかわいい嫌がらせをすることも。
テンション高めのときは部屋中を激しく動いて遊びまわる一方、遊び疲れると急に塩対応というマイペース。そうかと思えば、カメラを向けられるとジッと固まってしまうシャイな一面も。これらみらいの行動全てがなんともチャーミングで、スタッフの心をわしづかみにして離しません。
2023年末から咳が続いており、ねこ友会の譲渡会の参加などはお休みしていますが、みらいは「ずっとのおうち」「ずっとの家族」との出会いを求めています。名前の通りの「幸せな未来」が、1日も早く舞い込んでくることを願うばかりです。