ゴミ屋敷で「物乞い犬」と飼い主に呼ばれていた毛玉だらけの老犬を保護→ガリガリだったがトリミングすると、健気に尻尾を振った

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

身近にある「虐待や飼育放棄」、決して他人事ではない

現在、いっちゃんは預かりさんのもとにいる他のシニア犬たちと共に、おいしいものを食べ、荒れた皮膚を保護する可愛い洋服を着せてもらい、今までの分を取り戻すように、たくさん可愛がってもらっているという。

「あの状況でよく生きていてくれたと、皆でいっちゃんをほめました。頑張ったね。偉かったね。もう大丈夫。何度も何度も皆でいっちゃんをほめ続けました。生きてるうちに保護されたいっちゃんは、まだ幸運な方なのだと思います。もっとひどい状況で苦しんでいる子は他にもたくさんいると思います。いっちゃんのようなケースは皆さんの身近でも起きています。決して他人事ではない、ということを多くの人に知ってほしいと思います」(junさん)

junさんによると、元飼い主の女性を支援するセンターからは、今年の夏に夫が亡くなったのを機に女性の認知症が進み、飼育放棄が起きたと言われたそうだ。

「ただ、いっちゃんがすでに数ヶ月以上前から保護時のようなひどい状態だったことは把握していたそうです。支援センターがもっと早く行動を起こしてくれていたら……という悔しい思いがあります」(junさん)

少しでも異変を感じたら通報して

なぜ、保護団体やボランティアはすぐに保護活動に着手出来ないのか?「それは、行政が動かない/動けない、からなんです」と、junさん。

「現在の法律ではペットは飼い主の所有物という扱いです。また、動物愛護法が改正されても、その内容を理解しているのは私たちのように動物に携わっている一部の人だけ。驚くことに、いちばん知っておいてほしい警察官も理解していないことが多いです。動物への暴力もネグレクトも虐待であり、犯罪です。悪臭や鳴き声など、もし皆さんが近所や通りかかった場所で少しでも異変を感じたら、警察や行政に通報してほしいです。

小さな命を救うためには、まずはペット=所有物という扱いを変えてほしいと心から思います。時間がかかるとしても、声を上げ、行動を起こせば変わることは必ずあると思っています。現に私の住む地域では、先輩ボランティアさんたちが長年行政に働きかけてくれたおかげで、少しずつですが変わってきています。言葉を持たないがために苦しんでいる子たちの代わりに、声をあげてくれる方々がたくさんいる世の中になって欲しいと心から思います」(junさん)

◼︎いっちゃんの保護状況も詳しく投稿されている、junさんのInstagram「chobitamaru920」

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