豊橋競輪場(愛知県)が発表した新作ポスターが、SNSで好評を博している。来場していたファンの男性をメインビジュアルに起用。「競輪と人生」というテーマで男性が語った言葉を、キャッチコピーに落とし込んでいる。
「競輪は真剣にやるんだよ。真剣にやっても勝てないんだから」。そんなコピーとともに年配の男性の表情をモノクロで捉えているのは、同競輪場の9、10月の開催告知ポスター。Xの投稿が20万回以上閲覧されるなど、好評を博している。
「味わいのある素敵なポスター」「コメントが深い…」「華やかなタレントを使うのもいいんだろうけど、ユーザーをうまく使い一つの物語に仕立てるのもいいなと思わされた」と、競輪ファンでない人からも多くの反響が寄せられた。
豊橋競輪場によると、撮影したのは8月上旬。実際に来場していた競輪ファンに声をかけ、競輪と人生というテーマでインタビューしてポスターに仕上げたという。担当者は「近年では競輪場へ行かなくてもパソコンやスマートフォンを使って投票をすることができるようになりました。しかし、現地を盛り上げ、競輪場の雰囲気をつくるのはそこにいるお客様です」とする。競輪を愛してくれる人のありのままの姿や声をポスターにしたい、という思いがあったという。
勝てないという言葉を公営競技(ギャンブル)の運営側が用いるという、かなり攻めたデザインだが、担当者は「長年足を運んでいただいているお客様の深い言葉をそのまま載せたかった。お客様あっての競輪なので…」とする。ポスターは今後も2カ月おきに更新され、違う競輪ファンが登場する予定。
ちなみに、下に配置している「好きにしりん」という豊橋競輪場のコピーは、競「輪」と三河弁の語尾「りん」をかけた言葉だそうだ。