2019年10月から幼児教育・保育の無償化制度がスタートし、幼稚園・保育所・認定こども園を利用する3~5歳児の保育施設の利用料が無償化されました。現在では世間に「子どもが3歳になると保育料の負担が少なくなる」ことが浸透し、子どもが3歳になるタイミングで保育施設を活用して仕事をはじめる保護者も多いです。
しかし実際には、保育施設に支払う費用は完全に無料というわけではありません。例えば、通園送迎費や給食費、行事費、延長保育料、雑費、PTA会費、リトミックなどの習い事などは、無償化の対象外です。また、制服や鞄、靴に指定のある保育施設では、制服一式を揃える費用も別途必要です。
また、すべての保育施設が無料になるわけではなく、認可外保育園では3〜5歳児は月額37,000円までの利用料は無償化され、それ以上の金額は自己負担となります。この情報から「認可外保育園の方が幼稚園・保育所・認定こども園に比べて自己負担が高くなりそう」と考える人は多いでしょう。
実際に認可外保育園よりも幼稚園・保育所・認定こども園の方が、費用負担は少ないのでしょうか。認可外保育園の経理担当者に話を聞きました。
-幼稚園・保育所・認定こども園に比べると認可外保育園の方が費用負担が多くなるものなのでしょうか
一概にそうとはいえません。実際に当園では入園料を1万円いただいているのですが、その他の費用は給食費3,500円と冷暖房費1,000円のみで11時間保育です。ここに3歳児の保育料39,000円を加えるのですが、37,000円の補助が入り、自己負担は2,000円となります。したがって費用負担の合計は3,500+1,000+2,000で6,500円です。
もし幼稚園・保育所・認定こども園の一例で計算しますと、保育料は0円ですが、給食費・副食費(おかず代)6,500円、冷暖房代5,000円、絵本・教材代(クレヨンや粘土など)1,000円、3時間分の延長保育料3,000円が必要となり、費用負担の合計は6,500+5,000+1,000+3,000で15,500円なのです。
また、地域によっては給食費用を負担してくれる自治体もありますので、それによってもこの結果は変わりますが、認可外保育園の方が必ず割高というわけではありません。
-では認可外保育園と認可保育園にはどのような違いがありますか
例えば当園は家庭菜園があるため給食費は抑えられており、大きな行事も実施しないので行事費用もかかりません。園の方針によって保育料を設定しているため、他の園よりも低くなっています。
一方、認可保育園では運動会や遠足などの行事をおこなうこともあるため、思い出作りという点では、子どもが楽しめるでしょう。
このように園によって異なる特色があるため、子どもの入園前には下調べをしっかりおこなうことをおすすめします。