保護できないなら元の場所に戻しなさい
大阪府在住のWinさんは、2021年4月26日、インスタグラムのフォロワーから事故に遭った猫、おこちゃんについて相談を受けました。京都・宇治で捕獲したものの、病院では「保護できないなら元の場所に戻しなさい」と言われ、困り果てたフォロワーがWinさんに助けを求めてきたのです。
夕方、病院での診察で「尿道断裂と骨盤粉砕骨折、大腿骨の損傷があり、命に関わる尿道断裂の治療が優先」との診断が下りました。手術をしなければ命を救えない状況でしたが、Winさんは手術を決断しました。
「手術は深夜に及びましたが、無事に終了し、次の日も生きているだろうと希望を持てました」
激怒していたから「おこちゃん」
手術後、おこちゃんはすぐに病院ではご飯を食べなかったため、カテーテルを入れたままWinさんの元へ戻りました。帰宅後すぐにご飯を食べる姿を見たWinさんは、猫に「おこちゃん」という名前を付けました。
「おこちゃんは激怒していたため、この名前がぴったりでした(笑)」
その後、おこちゃんは順調に回復。1年後には骨盤腔も戻り、薬無しで排便が可能となりました。しかし、2022年の夏頃から尿道瘻が破綻し始め、手術を繰り返すことになりました。
2024年2月、再度の診察で尿道が破綻していることが分かり、膀胱瘻チューブ設置術を受けることになりました。手術は成功し、おこちゃんは現在も感染症との戦いを続けながらも、ご機嫌で過ごしています。入院生活で病院やスタッフが大好きになり、「病院から帰りたくない」と言うほどです。担当医や看護師さんを自分の先生として認識し、他のスタッフとも仲良く過ごしています。
轢いた人がレスキューしてほしい
おこちゃんは事故直後、這いつくばって団地の隙間まで血だらけで逃げ、助かる道を模索していた強運と生命力を持つ猫です。幾度となく「もう助からない」という状況を乗り越え、今も命を輝かせています。
Winさんは、ロードキルの被害猫が減るようにと願いを込めて、「乗り物に乗る全ての人が配慮し、被害猫を見つけたら病院へ運んで助かる道を模索してほしい」と呼びかけています。
「猫は突然飛び出すことがあるので避け切れないこともあると思います。でも、猫を轢いた人がレスキューして欲しいと思います。また、亡くなっている猫がいたら、道の傍によけてあげるとか、2度轢かれないようにすることも大切です」