「子どもの足音ってうるさいんですよ」と言われて、対策したけど…どこの人? マンションで“いわれのない苦情”に困惑

中瀬 えみ 中瀬 えみ

子育て中のマンショントラブルで代表的なものと言えば、「子どもの足音」ではないでしょうか。騒音の大きさに悩む家庭が多い一方で、自分の家の音がほかの家の迷惑になっていないか、心配になっている親御さんもいらっしゃるかもしれません。実際、「言いがかり」とも思えるようなクレームに苦しめられるケースもあるようです。

ある日突然「子どもの足音ってうるさいんですよ」

ある日突然、「子どもの足音がうるさいんですよ」と言われたAさん(関東在住、30代、育児休暇中)。Aさん一家は古い分譲マンションを賃貸して住んでいます。

ペット不可のマンションで、比較的高層階に住んでいるためか、これまで騒音問題とは無縁の生活でした。分譲マンションで壁の厚みもしっかりしているからか、両隣からも階上からの生活音も、ほとんど感じることがなかったそうです。おそらく自分の家の音もほかの家には伝わっていないと思っていました。

しかし、ある日エレベーターを待っているときに、見知らぬ男性から話しかけられます。

思いつく対策はすべてしてみたけれど…

もうすぐ2歳になる娘と、手をつないでエレベーターを待っていると、時々メールコーナーで見かける50~60代の男性と一緒になりました。

すると「お宅、14階にお住まいでしょう?」といきなり話しかけられました。

「子どもの足音ってね、うるさいんですよ。もう少し気をつけてくれないと、こっちが不眠症になってしまう。ここは静かに住む人がおおいんですからね」

そんなことを言われて、Aさんはびっくりしてしまいます。

娘が歩き始めたのは遅めで、ここ半年くらいのこと。しかも、飛んだり跳ねたりどころか、家の中で走るようなこともほとんどしていません。それなのに?とAさんは疑心暗鬼でしたが、さっそく子どもの足音対策に取り組むことに。

家じゅうに厚さ3センチの連結マットを敷き詰め、子どもには家でも靴下をできるだけ履かせるように。早朝に目が覚めてしまったときは、移動するのに子どもを抱きかかえるようにするなど、思いつく限りのことをするようにしました。

ホントに騒音問題だった??確かめられずにモヤモヤ…

それでも心配が尽きないAさんは、両隣のお宅に菓子折りを持って挨拶へ。

「足音のほかに泣き声や話し声が気になることはありませんか?」と聞いてみたところ、両隣とも「全く気にならないですよ!!」と言われます。

「こちらもそちらも窓を開けていれば、そりゃ泣き声くらいは聞こえるかもしれないけど、そんなことはそもそも気にしなくていいし、お宅はお子さん泣いているとすぐ窓閉められるでしょ? ほんとに可愛いんだから気にしなくていいのよ!」と、声をかけてもらえました。

もしかしたら足音は階下にしか聞こえないのしれません。次は階下のお宅へ、夫と一緒にお詫びに行くことにしました。はたして対策の効果は出ているのでしょうか…。

「うるさくて寝ていられない!」と怒られたのは何だった?

苦情を言ってきた男性が何号室か知らなかったものの、足音と言うからにはきっと真下に住んでいる人であろう…と訪問したところ、年配のにこやかな女性がドアを開けてくれました。

「この人が奥さんかな?」と思いつつ、子どもの足音でご迷惑をかけて申し訳ない、対策をしたがその後どうか?…と話をしたところ、その女性は「元から何も聞こえませんよ?」と、ビックリ顔。

「日中はあまり家にいないし、夜も遅いから。ウチの人が子どもの足音が気になることなんてないと思うけどねえ…」との話に、狐につままれた気持ちになってしまいました。

ココの旦那さんでなかったとしたら…あの文句を言ってきた人は、いったいどこの人??

少し怖くなってしまったAさんは、マンションのメールコーナーに寄るのは夫に任せるようになりました。その後、その男性と顔を合わせたことはないそうです。

「迷惑はかけたくないけれど、最近、子連れというだけで攻撃的な人もいるから少し怖いですね」と話すAさん。

実際のところ、騒音は確認することも難しく、感じ方の個人差があるだけにどこまで対処するか悩ましい問題であります。それにしても「子ども=うるさいに違いない」と絡まれたのだとしたら怖すぎますね…!

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