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和室をフローリングにしたら固定資産税が上がる? 知らないと損するリフォームの落とし穴【FPが解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

Aさん(40代・会社員)は、築20年の自宅マンションを部分的にリフォームしようと計画していました。特に気になっていたのが6畳の和室です。子どもが大きくなり、ベッドを置くために洋室へ作り替えたいと考えています。そんな生活の変化は、多くの家庭に起こり得るものではないでしょうか。

ところがある日、近所に住む友人から「和室をフローリングにしたら、固定資産税が上がるらしいよ」と聞きます。広さは同じなのに、床材を変えただけで税金が増えるなんてことがあるのでしょうか。ネットで調べてみても「上がる」「いや変わらない」と意見が割れ、Aさんは混乱するばかりです。

そこで固定資産税の仕組みについて、ファイナンシャルプランナーの橋本ひとみさんに聞きました。

和室を洋室に変えたからといって必ず評価額が上がるわけではない

―和室を洋室に変えると固定資産税は変わりますか

固定資産税の金額は建物の「評価額」によって決まります。評価額は床面積だけでなく、建物の構造、仕上げ材の種類、使用している部材のグレードなどでも変動します。

和室と洋室では評価の対象項目が異なり、例えばフローリングの素材や断熱材の追加、床暖房の有無などで、一般的に洋室のほうが評価額が高くなりやすい傾向があります。

ただし、和室を洋室に変えたからといって必ず評価額が上がるわけではなく、あくまでリフォームの内容や規模によって評価が左右される点がポイントです。

―固定資産税が上がりやすいリフォームはどんなものですか

評価額が上昇しやすい代表例は次のようなケースです。

・高級フローリングや無垢材など、材料のグレードアップ
・床暖房の新設や高効率な断熱材の導入など、住宅性能の向上
・間取りの変更や耐力壁の撤去・追加など、建物の構造に関わる大規模工事

これらは「建物の価値が上がった」と評価されやすく、固定資産税の増加につながる可能性があります。一方、畳から一般的なフローリングへ張り替える程度の小規模工事や、内装の模様替え程度であれば、評価額が変わらず税金に影響しないケースがほとんどです。

―評価額が下がることもありますか

あります。例えば、住宅の大規模な改築で延べ床面積が小さくなるなど、建物としての価値が下がるケースでは、評価額が下がることがあるのです。つまり、リフォームすることが、確実に固定資産税の上昇につながるというわけではありません。工事の内容や、リフォームで建物の価値がどう変化したかによって、評価額は上がることも下がることもある、そう捉えておくのが正しい理解と言えるでしょう。

◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ)
銀行勤務12年を経て、現在は複数企業の経理代行を行う 。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。

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