「ニンジンをいくら茹でても生のように硬いままになってしまった経験がある方はいませんか? それは茹でる温度によるものです」
先日、X(旧Twitter)へのこのような投稿が話題を呼びました。投稿主は東京の人気レストランで料理長をする傍ら、簡単で美味しいレシピや便利なキッチングッズの情報を発信している麦ライス(シェフ)さん(@HG7654321)。
麦ライス(シェフ)さんの投稿はこう続きます。
「ニンジンは弱火(60℃〜70℃)の温度帯が長くなるとペクチンという物質が原因で生のように硬くなります。 なので茹でる際は弱火ではなく強火で一気に加熱をしましょう」
ちなみにペクチンとは、水溶性食物繊維の一種で、ニンジンの細胞と細胞をつないでいる糊のような物質です。レモンやオレンジといった柑橘類やりんご、バナナなどのフルーツに多く含まれていますが、中でもニンジンにはペクチンメチルエステラーゼという酵素が含まれており、麦ライス(シェフ)さんの言うように、弱火(60℃〜70℃)で加熱するとこの酵素が働いてカルシウムと結合、硬くなってしまうのだそう。
この投稿に、多くの人たちが反応。
「だからどんだけ加熱しても弱火だったから、我が家のカレーのニンジンは硬かったのね……謎が解けた!」
「ずっと、ハズレのニンジンを引いてしまったと思ってた」
「すごく分かる。なんでいつまでも硬いのだろうとニンジンのせいにしていた。悪かったのは私の調理方法だったのね」
「離乳食の時に、細かく刻んでからコトコト茹でたらめっちゃくちゃ硬くてビックリした、覚えがあります! 今、困ってる離乳食のママさんたちに届けー!」
どれだけ煮込んでもニンジンが硬い……という経験をしたことがある人たちから、「だからだったのね!」という声がたくさん集まりました。
麦ライス(シェフ)さんの投稿はさらに続き、「ちなみに硬くなってしまった時はレンジでチンしましょう。 瞬殺で柔らかくできます」と解決策も伝授。麦ライス(シェフ)さんに、さらに、ニンジンを上手に柔らかく仕上げるポイントなどを伺いました。
柔らかくするポイントは「強火で加熱」
——弱火加熱をするとペクチンが働き硬くなるのは、ニンジンならではの特徴なのでしょうか?
「そうですね!ニンジンはペクチンが働いて特に硬くなりますね」
——根菜なのでニンジンも水から茹でたほうが良いのでは?と思いがちですが、沸騰したお湯で一気に茹でる方がいいのでしょうか?
「結果として芯まで高温で加熱されれば良いので、水からでも沸騰してからでも、どちらでも大丈夫です」
——電子レンジを使う場合、オススメの温度や時間はありますか?
「600Wが良いと思います。極端に水分が蒸発することなくある程度素早く加熱ができます。 時間についてはカットサイズなどによりさまざまなので、いろいろ試してみてください」
この他にもさまざまな料理のコツや目からウロコの情報をXで発信されている麦ライス(シェフ)さん。
「『我が家の定番になりました!今後も作り続けます!』『子どもが沢山食べてくれました!』などのコメントをいただくたびに、皆様のご家庭でお役に立てたと実感し、本当に嬉しく思います。いつまでも作り続けたいと思えるレシピや料理が楽しくなる知識を皆様に発信し続けたいと思います」
■麦ライス(シェフ)さん
https://x.com/HG7654321