閉まりゆく車の窓で、ごぼうやダイコンがばっさり切断…。パワーウインドーの「知られざる力」の大きさを検証した結果をJAF公式Xアカウント(@jaf_jp)が投稿し、注目が集まっています。5月21日には、東京で車の後部座席に乗っていた2歳の女の子が、パワーウインドーに首を挟まれて死亡する事故があったばかり。JAFでは挟み込み事故を防ぐため、パワーウインドーを閉める際の安全確認の大切さなどを呼びかけています。
ゴボウ・大根で閉まる力をテストすると
JAFでは、パワーウインドーの誤操作などで子どもの指や首が挟まれる重大事故が起きていることから、「パワーウインドーが閉まる力の大きさ」と、装着車種が増えている「挟み込み防止機能の有効性」を調べるテストを2017年に実施。その際の結果を5月22日に投稿しました。
行われたテストによると、軽自動車とミニバンで、パワーウインドーの閉まる力を「ゴボウ」や「大根」を使ってテストしてみたところ、どちらの野菜もばっさりと「簡単に切れる」ことが分かりました。
また、同乗者が窓に手を掛けているときにドライバーが誤って窓を閉めてしまう事故を想定し、上昇する後席の窓を手で止められるかという検証も行いました。結果は、8歳児は両手でも窓を止められず、30代女性は片手では止めることができませんでした。50代男性は片手で止められましたが「止めるので精一杯」で下げることはできなかったといいます。
チャイルドシート&パワーウインドーのロックスイッチも大切!
JAFによると、パワーウインドーの「挟み込み防止機能」は、車種によってはすべての窓に装備されていないのだそう。また挟み込み防止機能が働かないことがあるケースも想定して、子どもを乗せる際には特に、窓の開閉に注意が必要だといいます。ドライバーは助手席や後席の窓を閉める際は、「安全確認」や「窓を閉めるよ」など、一声かけることも大切だといいます。
JAFのテスト結果について、子どもの事故に詳しい「緑園こどもクリニック」の山中龍宏医師によると「子どもならチャイルドシートに座らせておけば、事故につながる窓やシフトレバーに手が届くことはありません。基本的な安全装備を使って子供を事故から守ることが保護者の務め」と指摘しています。JAFは子どもの手や首が窓に近づかないよう、子どもはチャイルドシートに正しく乗せること、運転席以外の座席で窓の開閉ができないように、運転席にあるパワーウインドーのロックスイッチを活用することを、呼びかけています。
▽出典
・JAF 公式X/パワーウインドーの挟み込みに注意
https://x.com/jaf_jp/status/1793190067042988145
・JAF 公式/パワーウインドーの挟みこみに関するテスト
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/powerwindow/binting