腎臓の病気で逝った愛猫との別れが開発のきっかけ…「用の美」息づく猫用食器「キャットボウル」  窯猫たちも協力して完成

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

看板猫2匹に協力してもらいながら開発

多々納さん 空は2019年夏ころ、敷地内の粘土場の倉庫で、野良だった母猫チャチャが産んだ4匹の子猫の中の1匹です。空は出会ったころから抱っこしても嫌がらず、人間が大好きな子でした。こんなにおとなしくて人馴れした子は珍しいですし、空とチャチャは仲良し親子なので、窯で飼うことにしたんです。ちなみに他の2匹は私が自宅で飼うことにし、もう1匹は中鉢くんの家に引き取られました。

2匹はふだん、窯内で暮らしており、従業員たちが可愛がっています。器を買い求めに来られるお客さんと接する機会はほとんどなく、もしも会えたらラッキーといった存在です。スタッフはみんな猫好きなので、それぞれが仕事の合間などに接してくれています。

キャットボウルの開発でも2匹はすごく協力してくれました。中鉢くんがキャットボウルを作り始めたのはちょうどコロナ禍が始まったころ。2年間、試行錯誤を繰り返し、2021年3月からオンラインショップで販売を開始すると、地元テレビなどに取り上げられたこともあり、人気商品になりました。ありがたいことにオンラインショップでは、お客さんから「使いやすい」「食べやすそう」「美しい」などの声が寄せられています。

中鉢さん そういった声を聞くと、この器を作ってよかったなと。もし役に立っているならば、救われる思いです。晩年のエドが食べにくそうにしていたとき、私はパートナーとして何もしてあげられませんでした。そんな過去の私のような時間を、いま愛猫とともに過ごしていて「できる限りのことをしてあげたい」と思っている人や、愛猫の幸せを願う人たちに、思いが届いてくれたら嬉しいです。

【施設名】「出西窯(しゅっさいがま)」
【住所】島根県出雲市斐川町出西3368
【ホームページ】https://www.shussai.jp

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