キュートであでやか、夢二の影響受けた女性像 レトロモダンで注目のマツオヒロミさんが東京で個展 岡山コーナーに藤井風さんイラストも

山陽新聞社 山陽新聞社

 レトロモダンな画風で注目を集めるイラストレーター・マツオヒロミさん(43)=岡山市在住=による首都圏初の個展が、東京都文京区の弥生美術館で開かれている。画家・竹久夢二(1884~1934年、岡山県瀬戸内市出身)の影響を受け、キュートであでやかな女性を描いたデジタル作品が、訪れた人を魅了している。6月30日まで。

 マツオさんは松江市出身。2010年からフリーのイラストレーターとして活動している。小学生の頃に夢二作品と出会って感銘を受け、明治~昭和初期を舞台にした女性のイラストをメインに手がける。昭和初期の百貨店をイメージしたコミック&イラスト集「百貨店ワルツ」(16年刊行)で人気を博し、22年には夢二郷土美術館(岡山市)でも企画展を開いた。

 会場では約200点を展観する。「百貨店ワルツ」の一角には、チョウをあしらった白い着物の女性や、フリルの付いたエプロンをまとったモダンな喫茶店員のイラストをはじめ、作品に登場するバッグや靴の“実物”も並べた。また「マガジンロンド」は架空の老舗女性ファッション誌。1922年と設定する「創刊号」から2022年の「100周年記念号」まで24冊を、年代ごとに表紙絵やタイトルロゴの雰囲気を変え、流行の変遷を感じ取れる作品に仕上げた。

 このほか、創作活動の拠点とする岡山をテーマにしたコーナーも設置。学生服メーカーのポスターや岡山県里庄町出身のシンガー・ソングライター藤井風さんのイラストが並ぶ。

 会場の弥生美術館は、夢二コレクションで知られる。マツオさんは「運が良ければ私が死んだ後に展示してもらえるかなと思っていた場所」と笑い、「作品の世界観に浸ってもらい、すてきな思い出になればうれしい」と話している。

 月曜休館。午前10時~午後5時。入館料は一般千円、高校・大学生900円、小中学生500円。問い合わせは弥生美術館(03―3812―0012)。

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