やっぱりガチャが人気…倉敷・美観地区の新たなヒットに ほかでは入手できない個性的な中身で、売り切れ注意

山陽新聞社 山陽新聞社

 岡山県を代表する観光地・倉敷市美観地区一帯のギャラリーなどでカプセル玩具販売機「ガチャガチャ」の設置が広がっている。中身は地元作家が手がけた陶器や木工品など。物珍しさから観光客が続々とレバーを回し、品切れになるケースもある。近年のガチャガチャブームを追い風に、アートへの関心を喚起するツールとして存在感を発揮している。

 「なにこれ、かわいらしい。旅の思い出になる」。美観地区に構えるギャラリー「アートスペース路ゞ(じじ)」(同市本町)で、福岡市から訪れた女性(51)がガチャガチャを回し歓声を上げた。

 カプセルに入っていたのは、数センチ大のぐい飲み。小さいながらも、陶芸家の岡本達弥さん=倉敷酒津焼兜山窯=が焼き上げた本格的な陶器だ。

 路ゞは4月に販売機3台を店先に設置。交流のある備中地域の陶芸家や木工作家が手がけたミニチュアサイズの食器や木工キットなどを入れている。価格は500円。入荷が追い付かないほどの人気ぶりといい、店主の石原路子さんは「ぐい飲みや組み立て式のミニチュアハウスなどが出るのは珍しい。女性を中心にレア感が受けている」とする。

 倉敷市立美術館前のギャラリー・björn(ビョルン、同市中央)も今春から常設化。装飾品、ぬいぐるみ、オブジェなど幅広いジャンルのアート作品を扱い「好みの作家が新たに見つかるかもしれない。ワクワク感を楽しんで」と呼びかける。

 缶バッジを扱う販売機を置くのは、美術家・川埜龍三さんのギャラリー「ラガルトプラス」(同市阿知)。新聞や雑誌のコラージュをあしらった自作のバッジを中に入れている。

 ガチャガチャ人気が高まり始めた1年前から利用が増え、川埜さんは「作品や創作活動などお客との会話が生まれ、ファンの裾野を広げるきっかけになっている」と成果を強調する。

 4台を備えるきび美ミュージアム(同市中央)は、作家が制作した備前焼の箸置き、展示絵画を印刷した缶バッジなど収蔵作品にちなんだ商品をそろえ「美術館への関心を高めるため、ラインアップを充実させたい」としている。

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