父の病気を機に気づいたこと、父に伝えたいこと
ーー3月に予定していた撮影を延期されたことを後悔されていたそうですね。お父さんのご病気を機に気づいたことはありますか?
「母と私は今、命の時間を事前に知らされることは決して不幸なことではない、と感じています。うちの実家では、お金の管理など、ほとんどのことを父がやっていたので、銀行のことや必要なことを前もって母に伝達しておける時間があったのは良かったよね、と家族で話しています」
今の自分があるのは「父のおかげ」
ーーお父さんに今、どんなことをお伝えになりたいですか?
「余命を宣告された時に父が、『俺は娘に何もしてあげられなかった』と悔やんでいた、と母から聞きました。だけど私は、小さい頃から母が仕事で忙しく、その分、父に可愛がられて育てられたことを、父がずっと撮ってくれていたビデオを通してよく知っています。
それもあって、子育てをする姿、子供と遊ぶ親の姿、楽しそうに親子で過ごす姿を動画に残すことの大切さを私自身が痛感しているので、今私は父と同じように、子供たちの成長記録として、共に遊び、共にコスプレで楽しむ姿を動画に撮って残しています。
たまたまそれをYouTubeで驚くほどたくさんの方に見て頂いているだけで、私が今していることは、父から受けた愛情そのものなんです。今の私があるのも、『あそびわーるど』というYouTubeチャンネルがあるのも、私がユニークなのも、すべて器用な父親から譲り受けたものであり、父のおかげなんです。なので、何もしてあげられなかった…なんて悔やまないで欲しいです」
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今回のコスプレ撮影について話を聞くなかで、「皆さんに与えられた大事な時間は、皆さんそれぞれの命の1秒、1時間、1日です。SNSに発信する言葉も写真も動画も、誰かを傷つけるために使うのではなく、あなたが幸せになるための時間に使って欲しい、と切に願います」と語っていた雷(ライ)さん。
年齢や病の有無に関わらず、一瞬先の誰の未来にも命にも保障はない。自分に与えられた限りある時間を、あなたはどう使いますか?
※コスプレボランティア・チーム「よかeco面隊」としても活動中の雷(ライ)さんと次女のまあさちゃんは、2024年6月1日に「博多キャナルシティ」(福岡県)で行われる「コスプレde海ごみ大作戦at福岡」にアンバサダー・コスプレイヤーとして参加するとのことです。