京都名物?「いけず石」をまとめた冊子完成 「新バス殺し石」やミニ鳥居と一体型も

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 細い道が交わる場所の角に置かれ、車から家を守る「いけず石」をまとめた冊子の第3弾が完成した。黄や青などカラフルなタイプや、車がぶつかったために石が動いて壁を削ってしまった本末転倒型などを掲載。ユニークな光景は、京都の町並みが持つ文化的な奥行きの深さを映し出している。

 ライターで愛好家の杉村啓さん(47)=京都市下京区=が書いた「いけず石観察手帖(てちょう)3」。これまでに出した1、2は完売の人気で、第3弾も目を引くいけず石をそろえた。写真付きで紹介する18カ所のうち、16カ所が京都市内で、東京都と香川県が1カ所ずつという。

 ひとつのテーマは色で、ドライバーの目を引くように黄と赤のツートンカラーで塗られた石や、レアな青、しょうゆ蔵の前に置かれたしょうゆ色っぽい茶系の石などを載せた。

 本末転倒型と言えそうなのは、ある有名な寺の近くにあるいけず石。車にぶつかられて石が動いたせいで、そばのコンクリートの壁をかなりえぐってしまっている。

 お小水からガードするべく、ミニ鳥居と一体型になったタイプや、高級住宅街に置かれた大理石風の石もある。

 バスがぶつかってもびくともしなさそうな「新バス殺し石」や、衝撃で割れたとみられる「激闘の末に割れた石」も目を引く。杉村さんの命名センスと、石について解説する軽妙な文章も見逃せない。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、人が消えた八坂の塔周辺で撮影した朝の写真もあり、当時の世相を思い起こさせる。

 杉村さんは「石の傷をテープで補修したような石など、何かしら手が加わっているものもある。まさにひとつの文化と言えると思うし、楽しい。バラエティーに富んだ内容になっていると思う」と笑顔を見せる。

 A5判、24ページ、カラー。同人誌などを扱うサイト「メロンブックス」で購入できる。880円。各種イベントで扱う際は600円。

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