「一戸建てに引っ越したら犬を飼おう」。…犬を飼うのが長年の夢。そのためにマンションではなくて一戸建てを選んだという方も多いのではないでしょうか。しかし、可愛い&楽しいだけではなく、大変なこともあるのが生き物を飼うということ。
Aさん(関東在住、40代、主婦)は、犬との素晴らしい生活を夢見ていたのに、想定外の隣人トラブルに巻き込まれてしまいました。
にこにこして愛想のいいお隣さんだったのに…
Aさん一家に念願だった大型犬のミルクちゃん(仮名)がやってきたのは、分譲戸建てを購入してから2年後のことでした。
夫婦ともに長年憧れてきた犬種で、ブリーダーさんに通って順番待ちをしてやっとお迎えした可愛い仔犬。はじめから無駄吠えすることもなく、おっとりしていてとても飼いやすい仔だったそうです。
予防接種も登録もすべて済ませ、初めてのお散歩に出る日。Aさんは両隣のご家族にも新しい家族を迎えたことを報告しておくことにしました。もちろん「犬が苦手な人もいるかもしれないし」と夫が仔犬を抱え、敷地に入らないよう一歩下がった場所からご挨拶するよう気配りしました。
最初に挨拶した右のお隣さんは「まあ可愛い!お利口そう!ウチは旅行に行くことが多いからお迎えするのを諦めたけど、うらやましいわ!ちょっと撫でさせてもらってもいい?」と好反応。
問題は左のお隣さんでした。
それまでは入居の挨拶も偶然会う時も、いつでもニコニコと挨拶してくれる感じのよい奥様と、無口だけどきちんと会釈するおとなしいご主人の組み合わせで「いい隣人でよかったな」とAさん夫婦は思っていたのですが…。
仔犬を見た瞬間…金切声で悲鳴!
玄関ドアを開けて仔犬を目にした瞬間、金切声で悲鳴をあげた左のお隣さん。
「これは犬が大の苦手な人だったのかも。いきなり連れてきて申し訳ないことをしちゃったな」と思ったAさん。「すみません。犬を飼い始めたので、ご迷惑をおかけするかもしれないと思いご挨拶にきたのですが、連れて帰りますね」と声をかけたとたん、大声で罵声を浴びせられました。
「犬なんて大嫌い!!それ大きくなる犬でしょう!?大型犬を住宅地で飼うなんて非常識!毛も飛んで洗濯物についたらどうしてくれるの?外に一歩も出すな!!どこかに引き取ってもらって!!」
ひとまずAさん夫妻「連れてきてすみません!」とその場は退散したのですが…。
これってウチが折れる必要ありますか?
あくる日から、お隣さんから犬に関する“お手紙”が、毎日のように入るようになってしまったそうです。
「犬はいついなくなりますか?心配で夜も寝られません」「あれから肌にかゆみが出ています。犬の毛のアレルギーがあるのかもしれません」「絶対に窓を開けないでください」「夜に犬が吠えないようにしつけてください。眠れなくなります」…などなど。
実際、完全室内飼いでほとんど吠えることもなく、犬のマナースクールでも「よく指示を聞いて素晴らしい」とトレーナーさんにも褒められていたのに。なにをそこまで言われないといけないんだろう…と思ってしまったAさんですが、夫から「犬が嫌いな人がいるのはどうしようもないこと。できるだけ出会わないように、散歩の時間には気をつけたり、できるだけ家から離れたところで散歩したりするようにしよう」と諭され、心がけているそうです。
「もし、引っ越し直後にお隣さんに犬を飼う予定だと伝えていたら、大反対されていて、この仔を迎えるどころではなかったと思います。結果的にはこれでよかったと思います。ご迷惑かけないようにこれからも気をつけますけど、実害がない限りは犬を飼うのはわが家の自由ですよね」
ミルクちゃんは1歳になり、体も大きくなりました。思わぬ隣人トラブルがこれ以上の大問題に発展しないよう、祈るばかりです!