12人を噛んだ犬の事故でわかった「狂犬病予防接種」の重要性 咬傷事故後に接種する「暴露後ワクチン」とは?

はやかわ かな はやかわ かな

犬に「狂犬病」の疑いがある場合は「安楽死」

獣医師によると、加害犬や被害犬に「狂犬病」を疑う症例が出た場合、人間に接種される暴露後ワクチンのような治療は行われず、安楽死処置の後、脳組織が検査に出されるという。

「犬が狂犬病に感染してしまった場合、感染した犬を救う方法はないので、飼い犬に『狂犬病予防接種』を受けさせることは、愛犬の命を守ることにも繋がると思います。日本では狂犬病を持っている動物はいないことになっていますが、それは飼い犬に対して『狂犬病予防接種』が徹底されたことで実現されたものです。かつての日本では、人も動物も毎年多くの命が犠牲になっていました。それまで日本と同じく狂犬病清浄地域だった台湾では、2013年に野生のイタチアナグマの感染が見つかり、野生動物にはまだ狂犬病が潜んでいることが確認されました」(渡瀬ゆずさん)

「狂犬病予防接種」について、ネット上では、政府や獣医師の利権や利益のための陰謀だと吹聴する人もいる。狂犬病は人間を含むすべての哺乳類に感染する病気だ。もし本当に利権のための陰謀であれば、猫や人など、すべての哺乳類への接種が義務化されているのではないだろうか?

年に1度の飼い犬への「狂犬病予防接種」は、法律で定められた飼い主の義務だ。「狂犬病予防接種」は愛犬の命を守ると共に、日本国民の命を守るための対策であることも忘れてはならない。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース