ドラえも~ん!その「未来のクスリ」…現在だと「危険ドラッグ」です! 頭の中が現実に、24時間眠くならない…“危ないひみつ道具”の数々

海川 まこと 海川 まこと

藤子・F・不二雄先生が手がけた『ドラえもん』にはさまざまな「ひみつ道具」が登場しますが、中には「危ない薬」を彷彿とさせる錠剤も存在します。「22世紀に開発された怪しい薬」の数々を紹介しましょう。

最初に取り上げるのは、てんとう虫コミックス3巻に登場した「ソーナルじょう」(アニメ版ではソウナルじょう)です。この薬には「頭の中で想像したことがその場で現実となって体験できる」という効能があります。

たとえば部屋の中で「ここはプールだ」と思い込めば、その場で泳ぐことが可能に。しかも服用した本人の目にはプールにいるように映り、溺れてしまえば苦しくなるため、プールにいるのと何ら変わらない状態です。外的要因はそのまま体に反映されますが、本人以外は起こっていることが見えません。

「薬を服用して自分にしか見えない世界に没入する」という嗜み方は、どうしても幻覚とリンクさせてしまって「危ない薬」を想像してしまいます。しかし想像だけで何でも体感できるのであれば、家の中ですべて完結するため、引きこもりになること間違いなさそうです。

ちなみに以前放送されたトヨタのCMには「実写化したドラえもん」シリーズがあり、ある回で「ソーナルじょう」が登場。そのCMでは、ドラえもん役のジャン・レノ氏と大人になったのび太役の妻夫木聡氏がソーナルじょうを服用し、クールになった自分を想像したのび太が女性(現実では老婆)をナンパしていました。

話は戻って「危ない薬」といえば「幻想」の他に「眠くならない」というイメージもありますが、やはり似たような効能のひみつ道具が存在します。

それはコミック6巻「夜の世界の王さまだ!」に登場する薬で、特に名称のない錠剤です。服用することで24時間眠くならないのはもちろん、疲れることもありません。忙しい現代人にとって夢のような薬ですが、作中では特に副作用については言及されていないことから、効き目が切れた時に反動がくる可能性もあります。もし後から疲労がやってくるのであれば、もはや危険ドラッグとそう変わりないでしょう。

ここまで注目した薬は服用しても見た目に異変が現れないものでしたが、コミックス5巻「のろのろ、じたばた」に登場する「スロー」という錠剤を飲んだのび太の様子は明らかに異常でした。

この回でのドラえもんはマイペースすぎるのび太のために、服用することで気持ちも体の動きも速くなる「クイック」、その逆の効能がある「スロー」を取り出します。結果的にのび太は間違えてスローを服用した時、トロンッとした目つきになりながら口を大きく開けて「ファ~」「ウファー、ファーファーファー」と謎の言葉をつぶやきました。

この危険すぎるのび太の反応に対し、読者からは「これってまさにハイになっている時のリアクションだよね」「クイックを飲み過ぎたドラえもんの言動もヤバい」といった声が寄せられています。

藤子・F・不二雄先生が意図的に狙って描いたのかはわかりませんが、未来に開発される錠剤には細心の注意を払う必要がありそうですね。

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