精密機械大手・島津製作所(京都市中京区)の主力製品である分析計測機器をミニチュア化したカプセルトイ「島津製作所 手のひら分析ラボ」が全国発売された。
分析計測機器は大学や企業の研究開発や品質管理の現場で使われているもので、一般にはあまりなじみのない製品だ。そんなマニアックなカプセルトイだが、交流サイト(SNS)を中心に話題となり、数日で完売した店舗もあるという。
企画の狙いと手応えを、島津製作所に取材した。
同社によると、同様の機器を取り扱わない一般の人にも、科学の世界や島津製作所の技術を身近に感じてもらうきっかけになればと、日本ならではの文化であるカプセルトイをつくることにした。
また実際の機器は大型で、商談や展示会で実機を見せることが難しいという課題があり、社内からも「手軽に持ち運べ、装置の魅力を伝えられるサイズのものがあれば」との声があったという。
そこで「単なるミニチュアではなく、装置の精密さや機能美、研究現場を支える存在感まで伝えられるものにしたい」との思いから、今回の企画が生まれた。
カプセルトイは希望小売価格500円(税込み)で、玩具メーカー「ターリン・インターナショナル」(東京都)が製造販売し、島津製作所内の部署である「総合デザインセンター」が中心となって監修した。
監修にあたっては、単なる外見の再現にとどまらず、実際のユーザーも満足できるようなリアルさにこだわった。扉や引き出しの開閉などのギミックを加えて機能感を表現したほか、装置の裏側や扉の内側にも本物を参考にした模様やディテールを反映した。「手に取ったときに細部まで見たくなる仕上がり」を目指したという。
ラインナップは、医薬品の有効成分測定などに使われる液体クロマトグラフ「Nexera」や、ドーピング検査や違法薬物の鑑識分析に用いられるガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2050」、ラボで分析装置を安全に使用するための耐荷重・耐薬性を満たした島津理化製の実験台「Fシリーズ」など6種類。
全て20分の1スケールで統一し、複数並べたときに「ひとつの研究室」としての世界観が完成するようにした。
5月15日の発売以来、SNS上では「全部そろえてラボを完成させた」「自作の備品を作って飾っている」といった投稿が寄せられており、島津製作所は「想像以上に幅広い楽しみ方をしていただいている」と反響に驚く。
「分析計測機器という少し専門的なテーマであっても、工夫次第で多くの方に魅力を届けられることを改めて感じました。当社にとっても大変励みになっており、今後の情報発信や企画の可能性を広げる大きな手応えにつながっています」としている。
対象年齢15歳以上。全国のカプセルトイ自販機コーナーで販売されている。