2020年から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の『【推しの子】』(原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ)は、芸能活動とミステリーが絡み合う大人気漫画です。漫画だけでなく2023年4月から放送されたアニメは、OPテーマソング『アイドル』(YOASOBI)とともに大ヒットを記録しました。
また2024年1月24日にはAmazonPrimeVideoでのドラマシリーズと映画による実写化も発表され、2024年8月現在、アニメ第2期の放送が後半戦を迎えています。そんな同作の魅力をまったく知らない人でも3分で分かるように振り返りましょう。
『【推しの子】』は、前世で推しだったアイドル・星野アイの子どもとして生まれ変わった星野愛久愛海(ほしのアクアマリン※以下、アクア)(前世は産婦人科医・ゴロー)と星野瑠美衣(ほしのルビー※以下、ルビー)(前世はゴローに最期を看取られた難病の少女・さりな)が、アイの死の真相を巡るサスペンス作品です。
ゴローとさりなは星野アイとアイが所属するアイドルグループ・B小町の熱烈なファンで、しかもゴローは世間には秘密のまま双子を身に宿したアイの出産を担当していました。しかしゴローはアイの入院を探る何者かの手によって崖から転落させられ死んでしまいます。
意識を失ったゴローが目を覚ますと、アイが出産した双子の子どものひとり(アクア)として生まれ変わっていました。アニメや漫画では記述がないものの、さりなもおそらく意識を失って目を覚ましたらアイの子ども(ルビー)に生まれ変わっていたのでしょう。
こうして推しのアイドル・アイの子どもとして生まれ変わったアクアとルビーは、前世の記憶や人格を生まれた時から備えており、時にはアイを助けるために子どもらしからぬ振る舞いをして周りを驚かせます。
例えばアクアとルビーの情報を週刊誌に売ろうとしたアイの所属事務所社長の妻・斉藤ミヤコに対して、ふたりは「神の化身」と称してミヤコを脅迫します。さらにミヤコとともにベビーカーでB小町のイベントを観に行った際は、乳児とは思えないキレのあるオタ芸を見せました。
喋るはずも踊るはずもない乳児が喋り踊る描写はとてもユニークで、ファンからも愛されるコメディシーンといえるでしょう。
そんな新しい人生を歩み始めたふたりに、ある日突然悲劇が訪れます。アイの自宅に突然やってきたストーカー。なぜか子供の存在を知る彼に逆恨みで刺され、若干20歳という若さでアイは命を落としてしまうのです。
アイの死に怒りと悲しみの念を抱くアクアとルビー。ただの学生だった犯人には、アイの出産という極秘情報を知る術はないと考えたアクアは、芸能界関係者、そして身元不明の父親の存在を疑います。そして、復讐を誓ったアクアは真犯人を探し出すことを決意。
一方、ルビーは憧れの母親の背中を追うように“アイドル”になろうと奮闘します。こうしてふたりは、それぞれの想いを胸に秘め、共に芸能界を目指すのでした。
その後、ルビーはB小町の名を使い3人組アイドルとなりライブステージに立ち始め、アクアはアイを知るプロデューサーと知り合うためにドラマや恋愛リアリティショーに参加するなど、ふたりは芸能界で活躍していきます。
現在放送中のアニメ第2期では、アクアや、アクアの恋人を演じている黒川あかね、B小町のメンバーとしてルビーとともにアイドル業もこなす女優・有馬かななどが出演する舞台作品「東京ブレイド」に挑む様子が描かれています。
芸能人のSNSバッシングや、漫画を原作とした作品の脚本問題など、現実社会でも起こっている問題にフォーカスした場面も描かれ、多くの話題を呼んでいる『【推しの子】』。Prime videoやNetflixなどの各種動画配信サービスで1期から全エピソードを観ることが可能です。これからクライマックスに向けて盛り上がりを見せる同作を、最初から最新エピソードまで一気見してみてはいかがでしょうか。