コンビニなどの駐車場では「前向き駐車でお願いします」と表記されていることがあります。「前向き駐車」とは、クルマの頭側(前方)から駐車スペースに停めることです。
覚えにくい場合は「自分が前を向いた状態で駐車」と考えるようにしましょう。
なぜ「前向き駐車」?
▽主な理由は近隣住民への配慮
店舗が前向き駐車をお願いするのは、一般に駐車場と民家が隣接している場合です。排気ガスやマフラー音が原因で、近隣住民から苦情が来るケースは少なくありません。そのため店舗側は、近隣住民への配慮として顧客に前向き駐車をお願いしています。
▽顧客に配慮している場合も
上記の理由の他に、飲食店などでは顧客への配慮で前向き駐車をお願いすることがあるようです。こうしたケースでは、排気ガスが店舗内に入り込んだり、店舗前を通行する顧客に不快感を与えたりしないことを目的としています。
▽電気自動車ならバック駐車も良い?
排気ガスやマフラー音への対策が前向き駐車の理由なら、排気ガスを出さず、静粛性も高い電気自動車は前向き駐車の必要はないと言えるかもしれません。
しかし、クルマの外見だけで全ての人が電気自動車とエンジン搭載車を見分けられる訳ではありません。「人々の安心感」という点では、クルマの種類に関わらず前向き駐車が望ましいと考えられます。
バック駐車したら違反になる?
店舗からの前向き駐車のお願いには、法的拘束力がありません。そのため「前向き駐車をお願いします」と書かれている場所でバック駐車をしたからといって、違反点数が加算されたり、罰金を科されたりすることはありません。
▽法的拘束力がなくても協力を
前向き駐車のお願いは、あくまで店舗側からの「依頼」に留まります。しかし前向き駐車には周囲への配慮という意味合いがあるため、できる限り前向き駐車に協力することが望ましいでしょう。
▽前向き駐車と後退時のコツは?
日本では駐車場から出る時のことを考えてバック駐車をする傾向があるほか、駐車場の狭さから「前向き駐車の方がかえって難しい」と感じる人もいるようです。
前向き駐車をする際の難点が、「内輪差」です。前向き駐車をする時、ドライバーは前輪の軌道をイメージしてハンドルを切りがちですが、曲がる時は前輪より後輪の方が内側を進みます。そのため小回りしすぎると、車体後方が隣のクルマと接触する可能性があります。
前向き駐車をする際はあまり早くハンドルを切らず、少し大回りをして駐車しましょう。ただし右前方の接触にも充分注意してください。
▽後退時はバックカメラなども使って
前向き駐車をした場合、駐車スペースから出る時は後退(バック)しなければいけません。後退時は人や車両との接触事故が多いので、特に注意が必要です。
現在はバックカメラの装着が義務化されていますが、古いクルマでは付いていないこともあります。目視でも確認しながら、死角を補う存在として後付けのバックカメラなども利用すると良いでしょう。
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【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
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