短期間で高額な報酬を得られるとうたい、SNSやインターネット上で特殊詐欺や強盗などの実行犯を募集する「闇バイト」が社会問題となっています。そこで、全国の10~50代の男女1206人を対象に「闇バイト」に関する意識調査を実施したところ、10代の約3人に1人が「闇バイトの募集を見たことがある」と回答しました。また、「闇バイト」という言葉を知らない人ほど恐怖心も少ないことが分かったそうです。
特殊詐欺対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社(名古屋市中区)が、2023年11月にインターネットで実施した調査です。
調査によると、全体の8割が「”闇バイト”という言葉を知っている」(80.0%)と回答。「闇バイトのイメージ」について、「”闇バイト”という言葉を知っている」と答えた人からは「詐欺や強盗などの犯罪をするアルバイト」など、具体的な内容をイメージできている人が多い傾向が見て取れました。
一方、「知らない」(20.0%)と答えた人からも、「やばそう」といった、危険性や犯罪であることを一定程度イメージしていることがうかがえました。
また、「”闇バイト”またはそれと思われる求人をSNSやインターネット上で見たことがある」と答えた人は、全体の20.4%。これを年代別に見ると、「30代」は17.9%、「40代」は14.2%、「50代」は13.8%となったのに対して、「10代」では29.1%、「20代」では26.6%と、若年層は全体平均よりも高い割合となり、若い世代ほどSNSやインターネット上で闇バイトの求人を目にしている機会が多いことが明らかとなりました。
続けて、「”闇バイト”に参加することについて、どのように感じますか」と聞いたところ、75.1%が「怖い」と回答した一方で、約1割が「怖くない」(全く怖くない6.1%・あまり怖くない4.5%)と回答。
これを年代別に見ると、「10代~30代」は「怖くない」と答えた人が10%以上いる一方で、「40代~50代」は10%未満となり、若い世代ほど「怖くない」と感じる人が多い傾向が見られました。
そこで、「”闇バイト”に参加することは怖くない」と答えた人に対して、その理由を複数回答可で聞いたところ、「興味があるから」(53.9%)が最も多くなり、次いで「報酬が高いから」(24.2%)が続きました。
また、「”闇バイト”に参加することは怖い」と答えた割合を、「闇バイト」という言葉の認知度別に見ると、「”闇バイト”という言葉を知っている」と答えた人が94.5%であったのに対して、「知らない」と答えた人では70.1%と24.4ptもの差が見られました。
さらに、「怖くない」と答えた割合も「知っている」と答えた人の5.5%に対して、「知らない」と答えた人では29.9%と、恐怖心も少ないことが分かりました。
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なお、警察庁の発表で、2023年1月〜7月末までに検挙された被疑者が受け子等になった経緯は「SNSからの応募」が46.9%でした(※)。
(※)警察庁発表「特殊詐欺に犯行利用された番号種別件数の推移及び受け子等になった経緯について」
https://www.npa.go.jp/news/release/2023/20231002001.html
闇バイトでは、応募する際に身分証明書や家族の情報などを送らされることがあり、やめたいと思っても「家に行く」「家族に危害を加える」などと犯罪組織から脅され、やめられなくなるケースがほとんどです。
「高収入」「即日即金」「簡単な仕事」など、甘い言葉で犯罪の実行役を募集する闇バイトに、絶対に参加しないでください。あやしいと思ったら、家族や身近な人、最寄りの警察署、各都道府県警察に設置されている少年相談窓口等に相談してください。
▽都道府県警察の少年相談窓口(警察庁発表)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/soudan.html