元サッカー日本代表の武藤らがセカンドキャリア考えるイベントに参加「現役のうちにやれることを」

小森 有喜 小森 有喜

現役Jリーガーらがセカンドキャリアのあり方を考えるイベントがこのほど、東京都内で開かれた。柏レイソルの武藤雄樹選手(35)=2015年日本代表=らアスリートが参加し、元アスリートの体験談やセカンドキャリアの事例について学んだ。

「アスリートが自身のキャリアを考えるセミナー」と題してパソナグループとエースポーツクリエイションが開き、4回目。武藤選手のほか名古屋グランパスの森下龍矢選手(26) =23年日本代表=、FC東京の山下敬大選手(27)ら計9人のJリーガーやビーチバレーボール選手が参加した。

元Jリーガーで水戸ホーリーホックのゼネラルマネージャー西村卓朗さんはオンラインで講和。クラブで選手向けに実施するキャリア支援の取り組み「MAKE VALUE PROJECT(MVP)」を紹介した。

選手との面談を通じて希望するキャリアやビジョンを探りつつ、集団研修で社会人としての基礎知識を伝えているという。西村さんは、現役アスリートが高めるべき力は競技能力のみではないとし「社会に対する影響力や発信力(マーケットバリュー)、生い立ちやキャラクターなどを含めどんな共感を生み出せるのか(ストーリーバリュー)も重要」とした。

MVPでは選手の企業インターンシップへの参加促進にも取り組み、昨年には「ルイ・ヴィトン」で選手が接客体験を行うなどした。西村さんは現役時代のうちに自己認識を深める重要性を強調し「行動しながら自分のあり方を追求し続けてほしい」と語った。

続いてBリーグ三遠ネオフェニックスのゼネラルマネージャー秦英之さんが、アスリート時代からの経験を振り返った。アメフトの社会人Xリーグチーム「アサヒビールシルバースター」の選手として日本一も経験している秦さん。徹底した体調管理やトレーニングが実を結んだことで「ここまでやれば日本一になれる、逆に言えばここまでやらないと日本一になれない、と気づけた経験はおのずと後の仕事にも生きてきた」と振り返った。

現役引退後はソニーで海外営業などを担当し、FIFAと連携した一大プロジェクトでも活躍。その後、スポーツ専門調査コンサルティング会社の地域代表やJリーグ特任理事などを歴任した。秦さんは「10個の重要メッセージ」として、スポーツビジネスに関して「好き」という気持ちだけでなく客観的な視点が重要▷他の興行に大きなヒントがある▷お金の流れや産業構造全体を理解してほしい▷人との繋がりを大切にしてほしいーなどと伝えた。

このほか、かつて現役選手としてこのセミナーを受講していた元女子ビーチバレーボール日本代表の草野歩さん(現パソナグループアスリートコーチ)、元湘南ベルマーレの選手で現在は同クラブで営業スタッフとして勤務する島村毅さんも登壇した。

プロ14年目の武藤選手は今年5月、千葉でスポーツスクールを開校した。「ベテランになり引退が見えてきている時期で(セカンドキャリアへの)アンテナは張ってきた。現役のうちにやれることはたくさんあると感じる」と話した。森下選手は「サッカー以外にもやりたいことがたくさんあるのでとても勉強になった。スポーツを通した地方創生にも興味がある」と語った。

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