毎日何気なく飲んでいる「水」が、どこからやってきているのかご存知でしょうか。私たちが毎日飲んでいるペットボトルの水は、自然が長い長い時間をかけて生み出したものだったりします。
20年かけて生み出される自然の水
私たちが毎日飲んでいる水は、自然に降った雨や雪が森に染み込み、そして地下深くで磨きあげられることで生まれます。それらの工程には20年もの年月が必要とされており、「水」は限られた資源であり決して簡単に手に入るわけではありません。つまり忘れてはいけないのが、ただ飲んでいるだけでは“飲む量”が“生み出される量”を上回ってしまい、水がいつか枯渇してしまうということ。そんな水の枯渇を防ぐための取り組みを行っている企業が、日本にもあります。
100年先を見据える
数ある清涼飲料水のなかで、2018年から5年連続売り上げランキング1位を誇っている「サントリー天然水」(飲料総研調べ)。日本で1番水を販売しているサントリーは、売ることと同時に「100年先の未来の水を育む」、つまりは「水を育む森」の手入れに力を入れているといいます。そこで掲げているのが、「ウォーターポジティブ」という考えです。
使った以上の水を森に還す
「ウォーターポジティブ」とは、取水量以上の水を森に還す取り組み。サントリーでは20年以上も前から水を生み出すための森づくりを続けているのだそう。植物を丹精込めて育てるとより美しく・おいしくなるのと同じように、いい水も、いい自然つまりはいい森があることで初めて生まれるわけです。
飲む以上の水を生み出すなんて、果たして可能なのだろうかという疑問も生まれますが、サントリーではなんと全国22カ所、総面積1万2000ヘクタールにも及ぶ「サントリー 天然水の森」を整備し、工場で使用する地下水の2倍以上の水を森にかえしているというのだから驚きです。
「水不足」を自分事に考える
毎日おいしい水を難なく飲むことができている今の生活で、「世界で水不足が問題になっている」と言われてもピンとこないというのが正直なところ。しかし、知らないだけで日本にも渇水リスクがある地域は多いのだそう。とはいえ、どうやって貢献すればいいのか。
そこでサントリーの取り組みを思い出してみる。なるほど、自分たちが直接森を育てることはできなくとも、「ウォーターポジティブ」に取り組むメーカーの商品を手に取ればいいわけだ。「水の未来」について考えることは、「自分たちの未来」について考えること。小さな一歩、今日の一本から未来を考えてみよう。
◆丸安なつみ 語学系大学卒業後、数年にわたってウェディングプランナーを経験したのち、広報・マーケティング担当として企画提案やプランニング、ホームページ制作などに従事。ショー制作コーディネーターを経て、ライターとしてフリーランスに。エンタメや美容、グルメ系などオールラウンダーなライターを目指し活動中。