5年以上無事故・無違反の優良ドライバーに交付されるゴールド免許。取得すれば免許の更新時間や任意保険料などで特典を受けられます。しかし違反をしたらどうなるのでしょうか。ブルー免許に戻ったあと、ゴールド免許の再取得にかかる期間など、みなさんの気になるギモンについて解説します。
ゴールド免許の取得条件
ゴールド免許は、以下の3条件を全て満たすと取得できます。
・運転免許証を5年以上保有している
・更新時の誕生日41日前から過去5年無事故・無違反
・重大違反教唆幇助・道路外致死傷の前科がない
「無事故」は人身事故がないことを指し、単独事故や人に被害のないクルマ同士の事故は含まれません。
また「重大違反教唆幇助(きょうさほうじょ)」は同乗者がドライバーに飲酒運転などの重大な違反を促すことや、違反行為と知りながら止めないこと、「道路外致死傷」は公道以外で人を死傷させる行為を指します。
▽運転免許証の色は3種類
そもそも運転免許証には、以下のように3種類の色分けがあります。色は、有効期限の欄の背景色で見分けられます。
【グリーン】
初めて運転免許を取得する者に交付 有効期間:3年(免許取得から3回目の誕生日の1カ月後まで)
【ブルー】
初めて免許更新または過去5年に違反歴等がある者に交付。以下の3区分がある
・初回更新者:初めて免許を更新3年 有効期間:3年
・一般運転者:更新2回目以降+過去5年に軽微な違反1回 有効期間:5年(更新時の誕生日に71歳を迎える場合は4年、72歳以上の場合は3年)
・違反運転者:更新2回目以降+過去5年に軽微な違反2回以上や人身事故 有効期間:3年
【ゴールド】
過去5年間が無事故・無違反で、かつ従来違反幇助などを行っていない者に交付 有効期間:5年(更新時の誕生日に71歳を迎える場合は4年、72歳以上の場合は3年)
ゴールド免許の5つの特典
ゴールド免許を取得すると、免許更新や任意保険で特典を受けることができます。とくに免許更新の手続きでは時間や費用の面でゴールド免許のメリットを感じやすいです。
▽特典①指定の警察署で免許更新ができる
初回更新や違反運転者は、一般に運転免許センターなどの限られた施設でしか免許の更新ができません。それに対して優良運転者(ゴールド免許)は、住所がある都道府県内なら指定警察署で更新手続きができます。ただし警察署での更新は平日のみです。
▽特典②住所地外の都道府県でも免許更新ができる
ゴールド免許を所持している場合は、住所地外の都道府県公安委員会を経由した「経由更新」が可能です。例えば免許証の住所地が大阪府で、単身赴任で一時的に東京都にいる場合などに経由更新を使うことができます。
更新期間は誕生日前の1カ月~誕生日までに限られ、経由手数料もかかりますが、住所地に戻る手間をかけずに済みます。
▽特典③更新手数料が安く、講習時間も短い
ゴールド免許であれば免許更新の手数料が安く、講習時間も短く済みます。以下は東京都の例です。
【優良運転者講習(ゴールド)】
更新手数料:2,500円 講習手数料:500円 講習時間:30分
【一般運転者講習(ブルー)】
更新手数料:2,500円 講習手数料:800円 講習時間:60分
【違反運転者講習(ブルー)】
更新手数料:2,500円 講習手数料:1,350円 講習時間:120分
▽特典④任意保険で割引を受けられる
任意保険には「ゴールド免許の人向けの割引」が用意されていることが多いです。 割引率は保険会社によって差があり、多いところでは20パーセント近い割引を用意している会社もあります。
▽特典⑤SDカードでの優遇を受けられる
SDカードとは任意で発行できる「安全運転者」を証明するカードです。1年以上の無事故・無違反で取得できるので、ゴールド免許なら確実に取得できます。 このカードを全国の優待店で提示すると、ガソリンスタンドや飲食店、レンタカー、宿泊などで割引やサービスを受けられます。
▽講習をオンラインで受けられるケースも
北海道、京都府、千葉県、山口県の4道府県では、2022年2月にゴールド免許取得者を対象にしたオンライン講習が開始されました。
オンラインでできるのは更新講習のみで、適性検査や写真撮影は免許センター等で行う必要があるものの、受講者の負担軽減が期待できます。4道府県は今後一般運転者にもオンライン講習の対象を広げる予定ですが、他の都道府県でも導入時はゴールド免許取得者を優先する可能性があります。