ゴミを持ち帰る、片付ける、互いの「思いやり」
寄せられた多くの反響について、「とくに気になったのが、圧縮式ゴミ箱の設置や、企業がスポンサーとなりゴミ箱を設置するという意見でした」と、投稿者のあとさん。
「僕自身は、旅行者が置いたゴミが汚くてみんなが困ってるという意味と、旅行者が一応ゴミ箱の周りにゴミを置いてくれてるという意味を込めて、高いとも低いとも言わずに、観測気球のような感じで『京都旅行者の民度』と書きました。観光地は旅行者がいるからこそ観光地になり得るわけですが、互いの思いやりは必要かなと思います。
僕はもともと小京都と呼ばれる景観の良い場所の出身なので、美しい景観を作り守り続けている京都は好きですし、歴史や文化財なんかを守り続けることの大変さがよくわかる…。でもそういうことは、実際にそこに住まないと理解してはもらえないんでしょうね。捨て置かれたゴミの回収後の分別のことも考えれば、自分なら適当には捨てられないですけどね」(あとさん)
「市バスに市民が乗れない」
また、ゴミ問題に象徴される観光客のモラルやマナーの低下と並び、京都市民を悩ませているのが、観光客であふれかえる歩道や道路、公共交通などの過剰な混雑問題だ。
京都市では交通渋滞緩和のため、渋滞する観光地から離れた駅周辺に自家用車を駐車して、公共交通で移動する「パーク&ライド」の活用を呼びかけている。専用駐車場の設置に多額の税金も投入されたが、多くの他府県ナンバーの自家用車が市内を行き交う様子を見る限り、周知も効力も及んでいないのが一目瞭然だ。また、京都市が市民に利用を促している京都市営バスなどの公共交通は、常に観光客で満杯のラッシュ状態…。
「市バスに市民が乗れない…」「観光税を取るより、京都市民は観光客が減ることを祈っている」と、ポストしていたあとさんに同調する京都市民は少なくないだろう。
京都市は今や持続可能な「観光都市」ではない…
とくに海外からの観光客が増え続ける一方で、京都市内の人口は年々減少傾向にあり、市区町村別では日本一の減少数となっているという。要因は、インバウンド拡大による宿泊施設の建設ラッシュ、円安で加速する外国人による不動産取得急増による市内の地価高騰。その結果、子育て世代を中心に滋賀県などへの人口転出が続いており、京都市の財政難に大きな影響を与えている。
例えば、敬老乗車証制度のように、市民には定額の乗車証を配布し、観光客の「市バス・地下鉄の乗車料金」を現在の倍額に設定するなど、観光客の乗車率をコントロールしながら、財源を確保できるような対策はあるはずだ。
納税者の流出を防ぐためにも、市民の負担を軽減するための大幅な財政やサービスの見直しなど、持続可能な観光都市としての早急な改革と対応が京都市に求められている。