「月100時間残業」「月末に帳簿上ゼロに改ざん」 経験者が語るブラック企業の過酷な労働時間

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

「ブラック企業」には就職したくないけど、見分け方が難しい。そう思っている人も多いのではないでしょうか。そこで、ブラック企業に勤めた経験のある全国の20~59歳の正社員300人に、「ブラック企業へ就職しないためのチェックポイント」を聞いたところ、約半数の人が「離職率」と回答しました。 

株式会社識学(東京都品川区)が「“ブラック企業”に関する調査」と題して、2023年9月にインターネットで実施した調査です。

まず、20代~50代の会社員の2509人に、「ブラック企業に勤めた経験」があるか聞いたところ、「ブラック企業に勤めたことはない」と答えた人は61.4%で、38.6%の人が「現在、または過去にブラック企業に勤めた経験がある」と回答しました。

次に、「不正行為や違法行為を含む“ブラックなこと”を会社から指示された場合」に従うかどうかを聞いたところ、「指示に従う」が6.1%、「仕方なく指示に従う可能性がある」が50.2%と、合計して56.3%の人が仕方なく指示に従う可能性があると答えました。

そこで、ブラック企業に勤めた経験のある300人に、「ブラックだと感じたこと」を複数回答で答えてもらったところ、「離職率が高い」が44.0%で最も高く、次いで「長時間労働(残業が多いなど)」(39.7%)、「サービス残業(残業代が出ない)」(38.0%)、「パワーハラスメントの横行」・「有給休暇が取れない(取れにくい)」(同37.3%)と続きました。

「会社の空気感や雰囲気がブラックと言えるもの」に分類されるものに関しては、「残業が当たり前で定時で帰宅しにくい雰囲気」(49歳女性)、「残業請求したら文句を言われる」(48歳女性)、「そもそも残業という概念がない」(44歳男性)といった声が寄せられています。

一方で、「明らかに違法と思われるブラックなもの」に分類されるものに関しては、「月平均100時間残業。でも、多すぎると言って残業代を削減された」(57歳女性)、「働き方改革に対応するために残業時間の半分を休憩を取ったことにされている」(49歳男性)、「月末に帳票上で0になるように改ざんされる」(53歳男性)といったコメントがありました。

では、ブラック企業に勤めた経験がある人は、そのことを「会社に相談」できたのでしょうか。調査したところ、「相談をした」と答えた人は21.0%にとどまりました。また、「相談した結果」を聞いてみると、82.5%の人が「変わらなかった」(改善の動きはあったが変わらなかった:38.1%、何もしてくれなかった:44.4%)と回答しました。

一方で、相談しなかったと答えた人に、「会社に相談しなかった理由」を聞いたところ、「相談しても意味がないと思ったから」(66.2%)、「報告することで更にひどくなることを恐れた」(28.3%)、「相談する相手がいなかったから」(26.2%)が上位に挙がりました。

そこで、「どのような対策があればブラック企業を生まないと思いますか」と聞いたところ、「コンサル会社など第三者に介入してもらう」(41.0%)、「有給休暇を取りやすくする」(31.3%)、「ルールの設定」(29.0%)といった意見が上位に挙がりました。

他方、「ブラック企業に就職しないために、企業のどのような点を注意すればよいのか」を聞いたところ、「離職率」が48.3%と最も高く、以下、「勤務先の人の雰囲気」(44.7%)、「休日日数」(38.7%)、「労働時間」(37.3%)、「給与体系や給与水準を見る」(37.0%)、「webサイトで公開している元社員の口コミ」(28.0%)と続きました。
ブラック企業に勤めた経験のある人からは、「すぐに採用してくるところはかなりのブラック」(40歳男性)、「口コミや元社員の話をよく聞く」(46歳女性)、「実際に働いている店舗の雰囲気は絶対見る。相談しやすいかも確認する」(28歳女性)、「試用期間の間に見極める。おかしいときは我慢しないで辞める」(57歳女性)といったアドバイスが寄せられました。

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