アマガエルを触った手で顔をごしごし→「あ゛あ゛あ゛目がー」 命知らずの研究者が恐怖の実験に臨んだ

中将 タカノリ 中将 タカノリ

可愛らしい容貌ながら皮膚粘膜から毒を分泌していることで知られる二ホンアマガエル

今、SNS上ではそんな二ホンアマガエルを触った手で目をこすったらどうなるのか検証した動画が大きな注目を集めている。

「Q. ニホンアマガエルを触った手で目をこするとどうなる?

 A. 痛すぎて大人でもマジ泣きする」

と件の動画を紹介したのは生物ライターで公益財団法人黒潮生物研究所客員研究員の平坂寛さん(@hirahiroro)。

目をおさえながら「38歳にもなって二ホンアマガエルに泣かされることになるとは…」と号泣する平坂さん。この至極当然ながらも興味深い動画に対し、SNSユーザー達からは

「アマガエルって毒があったんですね!昔足に飛んできて目が覚めたことがありましたが目じゃなくて良かったです 笑」
「コレやらかしたことあります。痛すぎてヤバい(ヤバい)」
「中学の頃、生きたアマガエルを口の中に入れて毒性を確かめた事があります。30分くらい嗚咽が止まりませんでした笑 目はヤバいです」
「こっちはアマガエルに毒があると知らずに触った後鼻ほじって大変なことになった」

など数々の驚きの声、共感の声が寄せられている。

研究者に聞いた

平坂さんに話を聞いた。

ーー実験に至ったきっかけを。

平坂:ニホンアマガエルの体表に毒性があり、それに触れた手で目などの粘膜をこすると激しい痛みが生じることは古くから知られていました。私が幼少の頃から令和の現在まで、多くの書籍にその記述が認められます。

しかしながら具体的に「どのように」「どの程度痛むのか」「症状はいつまで続くのか」といったところまで踏み込んだ資料は少なく、かねてより実際のところが気になっていました。そこで自身で実験を行い、動画資料としてネット上に残すに至った次第です。

ーー実際に痛みはいかがでしたか?

平坂:ニホンアマガエルに触れた手で目をこすると、十数秒ほどの時間をおいた後に、まるでレモン汁を点眼したような激しい痛みが生じました。瞼は赤く腫れ、白目は充血します。あまりの刺激に、瞼を開けようと思っても開けられないという状態がしばらく続きます。その間はとめどなく涙が溢れるため、それによって眼球表面の毒が洗浄されるようで徐々に症状は緩和。痛みが生じてから30分もすると完全に痛みは去りました。

ニホンアマガエルの毒素は「抗菌性ヒストン」というタンパク質だとされています。この抗菌性ヒストンは細菌などの細胞を破壊して殺す働きがあり、アマガエルたちはこれによってやわらかく薄い皮膚を雑菌から守っているそうです。ところが、この「細胞を壊す」という能力は人間の粘膜細胞にも通用してしまうため、今回の実験のように激しい痛みをもたらす…という仕組みのようです。眼球の細胞を壊されていた、とあらためて考えると少し恐ろしい気もします。

ーーその後の経過は?

平坂:30分を過ぎて以降は痛みがぶり返すこともなく、充血も引いてしまいました。特に視力が低下するなどの後遺症も今回の実験では認められませんでした。

ーー反響を呼びました。

平坂:「知らなかった!勉強になった!」というご意見を多くいただいています。一方で「経験したことがある!本当に痛いよね!」という共感の声もXのリプライやYouTubeのコメント欄へ予想外に多数寄せられました。幼少期にアマガエルと遊んで痛い目を見た方は意外と少なくないようです。みなさんのやんちゃぶりに驚きました。

◇ ◇

今回の動画のフルバージョンは平坂さんのYouTubeチャンネルで公開されているので、ぜひご覧いただきたい。ただ、絶対にマネしないでいただきたい。

また、平坂さんは先日新刊となる「虫への愛が止まらない 刺されて咬まれて食べまくったヤバい探虫記」を実務教育出版から上梓。国内外でさまざまな虫を捕まえたり、刺されたり、味見することで五感で虫の秘密を探った究極の体験型昆虫記なので、昆虫好きの方は要チェックだ。

平坂寛さん関連情報

Xアカウント:https://twitter.com/hirahiroro
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCs5AFbnn9X4Y_dzLEeI_6OA
「虫への愛が止まらない 刺されて咬まれて食べまくったヤバい探虫記」(実務教育出版):https://www.amazon.co.jp/dp/B0CJ2L3NPQ

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