1日に放送された日本テレビ系の人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」の企画で、富山県の海岸で捕れたホタルイカを生のまま食べると誤認させる表現があり、医療者がTwitterで「ホタルイカの生食は旋尾線虫症っていう寄生虫が皮膚を這う感染症になる」と指摘した問題で、番組公式サイトはトップページで「【5月1日(日)の放送に関して】ホタルイカを食べる場合は、加熱などの適切な処理が必要ですので、ご注意ください。」と注意喚起しました。また見逃し配信サービス「TVer(ティーバー)」の同番組についても、問題の場面のテロップに「※ホタルイカを食べる場合は加熱などの適切な処理が必要です」の一文が追加されました。
この企画はお笑いコンビ・ANZEN漫才のみやぞんによる「みやぞんが行くジャパンツアー」での一幕。富山県を訪れ、ホタルイカの身投げの鑑賞と漁に挑戦するというもので、番組内では夜の海岸に集まる人の映像とともに、ナレーションとテロップで「海岸に集まるホタルイカをすくい獲れたてをその場で味わう」と紹介されました。収録中はホタルイカが捕れず、番組内で食べるシーンはありませんでした。
このシーンについて、皮膚科専門医が、生食による寄生虫の感染リスクを踏まえ「危険な情報を流布するのはやめてほしい」とツイートすると、6万近いいいねがつくなど拡散。まいどなニュースの取材に「番組内で生食するシーンはありませんでしたが、最近情報量が増えているYouTube上のホタルイカの採集・調理動画ではまず「寄生虫がいるから安全に処理して」と呼び掛けています。知らずに生のまま食べて不用意に感染してしまった人が怖い体験をしてしまうことがないよう、マスメディアとして「洗練された表現」を心がけてほしいと感じました。」とコメントしました。
ホタルイカの産地、富山県の地元紙・北日本新聞もこの問題を報じる記事を7日に配信。記事は、ホタルイカ漁を行う漁業組合の副組合長や富山市の担当者の談話を引用し、「すべてのホタルイカに寄生虫がいるわけではないが、生食はやはり危険。番組の内容を真に受けてほしくない」「躍り食いをはじめ、素人が安易に生で食べることは絶対にやめてほしい」と注意を呼び掛けていました。